◎ティグライ州はエチオピア軍に包囲され、西側のメディアは立ち入りを禁じられている。
2021年10月20日/エチオピア、北部ティグライ州の州都メケレ(AP通信/Africanews)

エチオピア北部ティグライ州の医療当局は23日、州都メケレで空爆が報告され、少なくとも1人が死亡したと明らかにした。

メケレ市内の医療機関はAFP通信の取材に対し、「23日午前5時30分頃にドローン攻撃があり、60歳の男性が死亡した」と説明した。

この医療機関によると、ドローンは市内のホテル近くを爆撃したという。

ティグライ州はエチオピア軍に包囲され、西側のメディアは立ち入りを禁じられているため、現地の状況を確認することは困難である。

軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民となり、数万人が隣国スーダンなどに逃亡したとされる。

軍とTPLFの戦闘は先月末再開され、5カ月間維持された人道的停戦は破綻した。

TPLFは今月、アフリカ連合(AU)仲介の和平交渉に応じる意思があると表明したが、エチオピア軍は隣国エリトリアの部隊と協調してティグライ州に攻撃を仕掛けていると伝えられている。

エチオピア政府はTPLFの軍事施設以外を攻撃することはないと説明し、TPLFが民間人が死亡したと誤った情報を流していると非難している。

ティグライ州の医療関係者によると、戦闘再開以来、少なくとも17人が空爆で死亡したという。

TPLFは和平交渉に応じる意思があると表明したものの、戦闘は続いているようだ。政府とエリトリアは攻撃に関する声明を出していない。

TPLFと欧米諸国はティグライ州に侵攻したとみられるエリトリアを非難している。世界で最も閉鎖的な国のひとつであるエリトリアはティグライ州の市民を虐殺したと西側から告発されているが、沈黙を続けている。

この内戦は壊滅的な人道危機を引き起こした。国連の推計によると、民間人数万人が死亡、数百万人が避難生活を余儀なくされ、数十万人が飢餓状態に追い込まれ、いつ大飢饉が発生してもおかしくない。

国連は今週、エチオピアとエリトリア両政府がティグライ州への人道支援輸送やサービスの復旧を妨害し、市民を飢餓に追いやり、戦争を優位に進めようとしていると非難した。

しかし、2019年にノーベル平和賞を受賞したアハメド(Abiy Ahmed)首相はこの報告を否定し、「西側の調査は矛盾し偏っている」と応戦した。

2021年5月8日/エチオピア、北部ティグライ州の難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)
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