◎バイデン政権は今月初め、北がロシアに砲弾数百万発やロケット弾を含む兵器を販売したと報告した。
2019年4月25日/ロシアのプーチン大統領(右)と北朝鮮の金正恩 党総書記(Alexander Zemlianichenko/Pool/AP通信)

北朝鮮の国営メディアは22日、北朝鮮がウクライナ侵攻で窮地に立たされているロシアに兵器を輸出したという米国の報告はプロパガンダであると報じた。

朝鮮中央通信社KCNAによると、北朝鮮はロシアに兵器を輸出しておらず、その計画もなく、米国の情報機関は北朝鮮のイメージを悪化させるために偽りの情報を発信したという。

KCNAは国防関係者の声明を引用し、「米国は無謀な発言をやめ、口をつぐめ」と報じた。

バイデン政権は今月初め、北がロシアに砲弾数百万発やロケット弾を含む兵器を販売したと報告した。

ロシアは西側の制裁の影響で兵器やそれに必要な機器を輸入できず、ウクライナの前線に兵器を送れずにいる。

しかし、ロシア大統領府も米国の情報を「偽物」と一蹴し、ロシア軍が兵器不足に陥っているという噂を否定した。

北朝鮮の兵器輸出は国連決議違反である。

KCNAは「我が国は米国とその属国勢力によって作られた不法な国連安保理制裁を認めていない」と報じている。また、軍事品の輸出入は主権国家に与えられた合法的な権利であると強調した。

KCNAは高官の声明を引用し、「しかし、この機会にひとつだけはっきりさせておきたい。我々はこれまでロシアに武器や弾薬を輸出したことはなく、今後も輸出する予定はない」と報じている。

「米国が流した噂の出所は定かではないが、この偽情報は朝鮮民主主義人民共和国のイメージを悪化させることを目的としている」

ロシアは先月、イランのドローンを購入したとされるが、米当局によるとそれは技術的な問題を抱えているという。

韓国の専門家は、「北はその気になれば、旧ソ連の兵器で構成される自国の防衛システムを維持しつつ、ロシアに小火器、大砲、その他の弾薬を送り、主要供給源になれる可能性がある」と指摘している。

北はロシアとの関係強化を目指し、危機の原因は米国にあると主張。米国はウクライナではなく自国を守るためにウクライナ軍に兵器を供与し、ロシアを弱体化させようとしていると批判している。

また北は西側と中露の対立が深まり、国連安保理が機能不全に陥っている隙に兵器開発を進め、弾道ミサイルを試射し、核実験の準備を進めているとみられる。

金正恩(Kim Jong Un)党総書記はウクライナ東部の分離主義国家(ドネツクとルガンスク)に建設労働者を派遣することに関心を持っているとほのめかしている。

北は7月、ドネツクとルガンシク人民共和国の独立を承認し、ウクライナと断交した。

2022年9月21日/ロシア、首都モスクワ、予備役の部分的動員を発表するプーチン大統領(Russian Presidential Press Service)
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