◎ダルフール地方のアフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は6日、今年1月から8月にかけて、スーダンの部族間衝突で約380人が死亡したと報告した。
OCHAによると、死者のほとんどが西部ダルフール地方で確認されたという。
この期間中に発生した暴力事件は確認できているだけで224件に達し、430人以上が負傷、約18万人が避難を余儀なくされた。
またOCHAによると、ほとんどの衝突がアラブ系とアフリカ系部族によるものだという。
最も大きな被害を受けたのは西ダルフール州で、少なくとも76件の暴力事件が確認され、145人が死亡、156人が負傷した。
子どもの権利保護団体セーブ・ザ・チルドレンは6日、OCHAの集計について、「青ナイル州で今月初めに発生した部族間衝突の死者23人が含まれていない」と指摘した。
ダルフール地方のアフリカ系部族は2003年、アラブ系で構成される旧軍事政権に攻撃を仕掛け、ダルフール紛争が勃発した。
2019年に追放された独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれる武装勢力をこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこれを否定している。
国連のPKO部隊「国連・AUダルフール合同活動(UNAMID)」は2020年末に活動を終了したものの、現地の人道機関は部隊の再配備を要請している。
昨年10月の軍事クーデターで政権を奪取したブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍はより良いスーダンを構築すると主張したが、その後の大規模な抗議デモによる政治空白がこの地域の緊張を高めたと考えられている。