◎ルッテ政権は家畜が排出する窒素酸化物やアンモニアの排出を大幅に削減しなければならないと考えている。
オランダの国会議員は23日、政府の温室効果ガス排出量削減計画を議論する討論会を開催した。
この討論会はルッテ政権の高官が地元紙のインタビューで、「2030年までに窒素排出量を50%削減することは難しい」と発言したことを受け、急遽開催された。
ルッテ(Mark Rutte)首相を含む閣僚が所属する政党は農民や農村地域の支持を得てきたが、最新の世論調査によると、これらの政党の支持率は窒素削減計画を公表して以来、急落しているようだ。
高官のインタビューはルッテ氏率いる連立政権(4党)に摩擦を引き起こし、討論会が開催される事態となった。
ルッテ氏は6月、新たな窒素削減計画を発表。それを「避けられない移行」と評し、自然保護区域に近いエリアで窒素酸化物の排出量を最大70%、その他の地域では最大95%削減するとした。
州政府はこの計画に基づいて1年以内に温室効果ガス削減目標を策定・実行する。州政府は農家に家畜の数を減らすよう提案する可能性が高い。
ルッテ氏も多くの農家が家畜の数を大幅に減らすか、家畜を完全に処分することになると予想している。
最大野党である極右「自由党」は多くの欧州諸国が食料・燃料危機に取り組む中、「ルッテ政権は指をくわえて成り行きを見守っている」と批判し、今は窒素削減より優先すべきことがあると主張している。
自由党党首は開口一番、「ルッテは国民の願いを無視し、農家を見殺しにしようとしている」と語った。「オランダの経済を支えてきた農家が燃料や飼料の高騰に苦しんでいる今、なぜ家畜を殺せと言うのですか?」
中道「民主66(D66)」の党首は体調不良で欠席した。D66は温室効果ガスの削減を推奨している。
ルッテ政権は家畜が排出する窒素酸化物やアンモニアの排出を大幅に削減しなければならないと考えている。しかし、農民はこの計画を導入すれば多くの農家が廃業に追い込まれ、農業に依存している地域の経済が崩壊すると主張している。
農民で構成されるデモ隊は計画に抗議するため、高速道路に糞尿やアスベストを含むゴミを投棄し、食料品店の配送センターを封鎖するなどした。
オランダの温室効果ガス排出量は世界全体の約0.5%を占めている。