◎インド北部のヒマラヤ山脈に近い地域では洪水や地滑りが多発しており、特に6月から9月の雨季にはリスクが高まる。
インド政府は21日、北部ヒマーチャルプラデシュ州などで大雨による洪水と土砂崩れが発生し、少なくとも40人が死亡したと報告した。
ヒマーチャルプラデシュ州政府によると、郊外の山岳地帯ではここ数日大雨が続いていたという。洪水は20日遅くに発生したと伝えられているが、詳細は明らかにされていない。
北部ウッタラカンド州でも河川の堤防が決壊したと報告されている。
インド北部のヒマラヤ山脈に近い地域では洪水や地滑りが多発しており、特に6月から9月の雨季にはリスクが高まる。
ヒマーチャルプラデシュ州の消防は21日の声明で、「これまでに36人の死亡を確認し、数百人が避難を余儀なくされた」と報告した。州政府によると、民家やインフラへの被害は調査中。
ウッタラカンド州郊外では河川の堤防が決壊し洪水が発生。少なくとも4人が死亡し、13人が行方不明と伝えられている。報道によると、浸水高さが数メートルに達した地域もあるという。
消防と警察は両州の被災地で孤立した数千人の救助作業を続けている。
専門家によると、地球温暖化の影響でヒマラヤ山脈の氷河が溶け出し河川の水量が増加。麓の集落で洪水リスクが高まっているという。
鉄砲水を目撃したというヒマーチャルプラデシュ州の住民は地元紙タイムズ・オブ・インディアの取材に対し、「雨はそれほど降っていなかったが、上流から濁流が押し寄せてきた」と語った。
ウッタラカンド州郊外で昨年発生した洪水では約200人が死亡し、多くの家屋が流された。