◎この措置は森林への立ち入りを禁じるなど、政府に特別な権限を与える。
ポルトガル政府は21日、今年3度目となる猛烈な熱波が接近し山火事の発生・延焼リスクが高まるとして、厳戒態勢に移行した。
警戒態勢の期間は21日午前0時から23日までの予定。
気象当局によると、全国の最高気温は今後数日、40度前後を維持する見込みだという。乾燥状態もしばらく続き、さらに風も強まると予想されている。
ポルトガル国内のスマートフォンユーザーには厳戒態勢への移行を告げるメッセージが届いた。地方都市のユーザーには山間部で火を取り扱わないよう警告するメッセージも届いている。
この措置は森林への立ち入りを禁じるなど、政府に特別な権限を与える。政府は立ち入り制限だけでなく、火花が発生する機械の使用も禁じた。
消防の推計によると、今年の全国の焼失面積は920㎢を超え、多くの山火事が燃え続けている。
リゾート地セラ・ダ・エストレラ(Serra da Estrela)の被害は特に深刻で、ここ数週間の焼失面積は280㎢に達した。
首都リスボンの北部でも大きな山火事が2つ発生したとみられ、列車の運航にも影響が出た。
一方、隣国スペインの東部バレンシア州で発生した山火事は制御不能となり、大混乱を引き起こしている。消防は消防飛行機を35機配備し、24時間体制で消火作業に当たっている。
欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、スペインは今年、欧州の中で最も山火事の影響を受けている。同国の今年の焼失面積は3000㎢近くに達し、平年の4倍に達したと推定されている。