◎干ばつに悩まされていたベルギーでも数週間ぶりの雨で洪水が発生。ゲントの旧市街で浸水が報告された。
ロンドンとパリで17日、予想外の大雨が降り、広い範囲で浸水被害が確認された。
AFP通信によると、パリの暴風雨は高温と干ばつに悩まされていたパリジャンをイラつかせ、地下鉄は浸水し、大渋滞が発生し、マクロン(Emmanuel Macron)大統領の予定を狂わせたという。
パリを水浸しにした低気圧は南東部に進み、カラカラに干上がった大地をずぶずぶにした。
報道によると、パリ郊外や他の都市では雹(ひょう)が降り、セーヌ川上流の一部が決壊したという。死傷者は確認されていない。
フランス南部では16日遅くから17日未明にかけて大雨となり、マルセイユの港と裁判所が浸水し、近くの海岸は閉鎖を余儀なくされた。
干ばつに悩まされていたベルギーでも数週間ぶりの雨で洪水が発生。ゲントの旧市街で浸水が報告された。
猛烈な熱波に見舞われていたロンドンとイングランド南部でも雷雨となり、ロンドン中心部が浸水した。
イギリスの一部地域では鉄砲水も報告されているが、死傷者はいなかった模様。
この雨にもかかわらず、イギリスの大部分はまだ公式には干ばつ状態にある。ロンドンとその周辺地域の市民1500万人に給水している水道大手テムズ・ウォーター社は8月24日から芝生と庭への散水を禁止する予定だ。
一方、豪雨に見舞われたマクロン大統領は、第二次世界大戦の連合軍によるフランス奪還作戦を記念する式典を19日に延期した。
この劇的な豪雨は数週間続いた歴史的な熱波に終止符を打つと期待されている。フランスの大部分は乾燥し、川は干上がり、多くの町や集落で水道が使えない状態が続いていた。
この夏、欧州の多くの地域でアフリカから流れ込む熱波が猛威を振るい、山火事と深刻な干ばつを引き起こした。
AFP通信によると、この大雨は消防士の負担を軽減させると期待されているが、フランス南西部で発生した山火事は延焼し続けているという。