◎上海の市民は厳格なロックダウンに2カ月耐え、自由を得た。
中国の保健当局は14日、上海市内のイケア(IKEA)を訪れた6歳の男児がPCR検査で陽性を示したため、対象店舗に閉鎖を命じたと発表した。
閉鎖命令は13日夜に出たとみられる。対象店舗は買い物客がいるにもかかわらず入り口を閉めようとした。
ソーシャルメディアには異変に気付いた買い物客と店舗従業員が入り口で激突する動画が複数共有されている。
保健当局によると、この店舗を訪れたという6歳男児がチベットの観光地から上海に戻った際のPCR検査で陽性を示したという。
男児がこの店舗を訪れた日時は明らかにされていない。
SNSに投稿された動画には、ドアをこじ開け脱出を図る買い物客の姿が映っている。警備員は買い物客を抑え込もうとしたが、数に圧倒され、押し返された。
上海の市民は厳格なロックダウンに2カ月耐え、自由を得た。
中国共産党は現在、全土を封鎖するのではなく、陽性者が確認されたエリアを封鎖する「ピンポイント・ロックダウンシステム」に切り替え、感染拡大を抑え込もうとしている。
これまでに料理店、スポーツジム、企業オフィスなどのロックダウンが確認されている。ある鍋料理店は客がいるにもかかわららず閉鎖された。
保健当局によると、対象のイケアストアと周辺地域の住民は2日間隔離され、その後5日間健康チェックを受ける必要があるという。
新華社通信はイケアを訪れた6歳男児に近づいたとみられる約400人が拘束され、8万人がPCR検査を受けるよう命じられたと報じている。
イケアの上海カスタマーサービスは14日、対象店舗が閉鎖されたことを認めた。
スウェーデン発祥の大人気家具店は中国で35店舗を展開している。
一方、共産党は経済に大打撃を与えかねないゼロコロナ政策を追求し、一部の市民から反対意見が出ているにもかかわらず、陽性者の隔離とロックダウンを継続している。
上海のあるビルでは先週、コロナ陽性者が出たという噂が突然広がり、数百人が逃げ出す騒ぎに発展した。