◎ゴルフ場の関係者によると、コースの芝は水がなければ3日で枯れ、全面バンカーコースになってしまうという。
芝生の水やり(Getty Images)

フランス南部の気候活動家は13日、深刻な干ばつが続いているにもかかわらず水を無駄遣いするゴルフ場に乗り込み、グリーンのカップにセメントを流し込んだ。

ゴルフ場の関係者によると、コースの芝は水がなければ3日で枯れ、全面バンカーコースになってしまうという。

しかし、市民団体「エクスティンクション・リベリオン(XR)」の活動家はゴルフ場だけ給水制限を免除されるのはおかしいと指摘し、ゴルフを「特権階級のレジャー産業」と呼び、非難した。

政府は今月、100以上の自治体が給水制限と給水車の導入を検討していると報告した。多くの住民が水の確保に苦労している中、ゴルフ場の給水制限免除は議論を巻き起こした。

ゴルフをやらないツイッターユーザーは、「世界初の砂漠ゴルフクラブを作れ」などと投稿し、自治体の方針を非難している。

仏ゴルフ連盟の会長は地元メディアのインタビューで、「芝のないゴルフ場は、氷のないアイスリンクのようなものだ」と述べている。また同連盟によると、全国のゴルフ場では約1万5000人が働いているという。

しかし、ゴルフに興味のないSNSユーザーや活動家は「水を無駄遣いする施設など閉鎖してしまえ!」などと主張し、自治体とゴルフ場を非難した。

今回、XRの標的になったのはヴィエイユ・トゥールーズとブラニャックにある2つのゴルフ場だった。

活動家はSNSに投稿した嘆願書の中で、「この免除は経済的狂気が地球の生態系より優先されていることを示している」と述べている。

厳しい給水制限を課している自治体の住民は給水車に頼り、トイレの処理や皿洗いに苦労している。しかし、それらの自治体でもゴルフ場は制限を免除された。

連邦政府は全国の自治体に水の使用を控えるよう要請しているが、強制力のある制限の発効は自治体に委ねている。今のところ、西部イルエビレーヌ県だけがゴルフ場の散水を禁じている。

南東部グルノーブルの緑地担当者はAFP通信のインタビューでゴルフ場の免責を厳しく非難した。「政府は金持ちと権力者を保護しています!」

ゴルフ場もいくつかの制約を課されている。夜間の散水は通常の30%以下の水量で行わなければならない。

政府報道官によると、ロワール川の一部はカラカラに干上がり、多くの穀物・ヒマワリ・その他の畑も力なく萎れてしまったという。全国の3分の2の地域の降水量は平年の15%にとどまっている。

2022年8月8日/フランス、パリ郊外のヒマワリ畑(Aurelien Morissard/AP通信)
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