◎セルビアはEU加盟国だが、西側の対ロシア制裁に加わることを拒否し、ロシアとの友好関係を維持している。
2022年7月20日/セルビア、首都ベオグラードの政府庁舎、ブチッチ首相(右)とエジプトのシシ大統領(Darko Vojinovic/AP通信)

セルビアとエジプトの両首脳は20日、ロシアのウクライナ侵攻がもたらした問題に対処するため、政治、経済、その他の部門の協力関係を強化することで合意した。

セルビアのブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は首都ベオグラードの政府庁舎でエジプトのシシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領と共同記者会見に臨んだ。

シシ大統領はセルビアに3日間滞在し、ブチッチ氏やその他の政府高官と会談する予定である。エジプトの大統領がセルビアを訪問するのは約30年ぶり。

ブチッチ氏は記者団に対し、「これは始まりに過ぎない」と述べ、エジプトとの関係強化を称賛した。「シシ大統領の訪問は両国の発展を大きく後押しするでしょう」

両首脳はパートナーシップ協定に署名した。またブチッチ氏はシシ大統領に国家勲章を授与し、年内にエジプトと自由貿易協定を結ぶことも発表した。

シシ大統領は、「両国は世界規模の問題を考慮したうえで、より良い経済を構築するために協力する必要がある」と述べた。「エジプトはすべての分野でより強力な関係を築けると期待しています...」

ブチッチ氏の報道官によると、セルビアはエジプトに対する小麦輸出を強化するという。エジプトは世界最大の小麦輸入国のひとつであり、その多くをウクライナから輸入していた。

セルビアはEU加盟国だが、西側の対ロシア制裁に加わることを拒否し、ロシアとの友好関係を維持している。

エジプトも中立的な立場を維持している。シシ大統領は先週、サウジアラビアでバイデン(Joe Biden)米大統領と会談した際、「エジプトはすべての問題が平和的に、合意によって解決されることを切望している」と述べていた。

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