◎アルジャジーラ記者のアクレ氏は5月11日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。
米ホワイトハウスは13日、バイデン(Joe Biden)大統領の中東歴訪スケジュールを公開した。
ヨルダン川西岸地区で射殺されたアルジャジーラ記者シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏の遺族はバイデン氏との面会を希望していたが、拒否されたようである。
バイデン氏はヨルダン川西岸を訪問する予定だが、アクレ氏遺族との面会はスケジュールに含まれていなかった。
ニューヨーク・タイムズ紙は記事の中で、「バイデン氏はイスラエルに配慮し、遺族との面会を拒否したようである」と報じている。アクレ氏は米国民である。
アクレ氏は5月11日、ヨルダン川西岸でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。
パレスチナ当局はイスラエル軍がアクレ氏と当時一緒に行動していた別の記者を銃撃したと主張している。
サリバン(Jake Sullivan)大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は13日の記者会見で、「ブリンケン(Antony Blinken)国務長官がアクレ氏の家族を米国に招待した」と説明した。
またサリバン氏は、「国務長官はバイデン大統領の指示に基づき、アクレ氏の事故の状況を正確に把握する取り組みを支援してきた」とした。
サリバン氏は「イスラエルとの首脳会談ではアクレ氏の事件も主題のひとつになるだろう」と述べた。バイデン氏は14日にイスラエルのラピド(Yair Lapid)首相と会談する予定。
アクレ氏の遺族は先週、この問題に関するバイデン氏の対応を非難し、「バイデン政権はイスラエル軍の超法規的殺人を擁護した」と主張した。
遺族はバイデン氏に宛てた書簡の中で失望と怒りを表明している。「私たちはヨルダン川西岸でイスラエル軍に撃ち殺されたシリーン・アブ・アクレに対するバイデン政権の対応に悲しみ、怒り、裏切られたと感じています...」
遺族は書簡の中でバイデン氏に対し、「イスラエルに説明責任を果たすよう働きかけてほしい」と求めている。
米国務省は先週、アクレ氏から摘出された銃弾について、イスラエル軍の陣地から発射された可能性が高いと認めたが、「手元にある証拠でイスラエル軍がアクレ氏を故意に殺害したと決めつけることはできない」とし、事件を「悲劇的な状況下で発生したもの」とした。
当時のビデオ映像、目撃者の証言、複数の独立系メディアの調査により、アクレ氏が死亡したエリアにパレスチナの武装勢力はいなかったことが明らかになっているが、米国務省は「イスラエル軍はテロ攻撃に対応し、その過程の中でアクレ氏に弾が当たった」と主張した。
国際NPO「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は12日、バイデン氏に対し、中東歴訪中に報道の自由について発言し、アクレ氏の遺族と面会するよう求めた。
今週初めにはアクレ氏が住民登録していたニュージャージー州の民主党員、ブッカー(Cory Booker)上院議員とメネンデス(Bob Menendez)上院議員がアクレ氏の事件に関する説明責任を追及すべきという米議会の一団に加わった。
民主党員たちはバイデン氏に宛てた書簡の中で、「イスラエルとヨルダン川西岸地区を訪問した際、アクレ氏の事件を取り上げ、イスラエルに説明責任を果たさせるよう求めなさい」と述べている。
「私たち民主党は透明・公正・公平な捜査に米国が継続的に関与することを求めます」