◎全米の入院患者数は4月以降増加傾向にあり、この3カ月で倍増した。
米疾病予防管理センター(CDC)は12日、コロナウイルスの変異株オミクロン株の感染再拡大に警鐘を鳴らし、国民にワクチン接種と屋内施設でのマスク着用を呼びかけた。
世界保健機関(WHO)によると、世界の感染者数は増加傾向にあり、オミクロン株のBA.4とBA.5への置き換わりが進んでいるという。この2つは他のオミクロン株より感染力が強いとされるが、デルタ株やアルファ株に比べると重症化リスクは低いと考えられている。
CDCのワレンスキー(Rochelle Walensky)所長は声明で、「多くの国民がワクチン接種を更新していない」と述べ、3回目と4回目接種が進んでいないと指摘した。
ワレンスキー氏によると、全国の入院患者数は4月以降増加傾向にあり、この3カ月で倍増したという。1日の死者数は300人前後で推移している。
ホワイトハウスの首席医療顧問であるファウチ(Anthony Fauci)博士も屋内の密な場所ではマスクを着用し、ワクチンを接種するよう呼びかけている。
ファウチ氏は12日の声明で、「オミクロン株の感染再拡大に対処する準備を進めている」と述べ、国民に行動を呼びかけた。
またファウチ氏は最近コロナに感染した人も「免疫ができたから大丈夫」と考えるのではなく、ワクチンを接種してほしいと訴えた。「免疫は必ず弱まります。ワクチンで免疫力を維持することが重要です...」
CDCはウェブサイトにワクチン接種手順を改めて掲載している。
▽5歳以上の全国民は2回目接種完了から5カ月後以降に3回目接種を受けることができる。
▽50歳以上または免疫不全などの疾患を持つ人は、3回目接種から4カ月後以降に4回目接種を受けることができる。