◎フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性がある。
メキシコの検察当局は8日、西部シナロア州クリアカンの倉庫でフェンタニルの錠剤50万錠を押収したと発表した。
メキシコ警察によると、軍と警察の合同チームは7日に倉庫を急襲したという。
地元メディアは錠剤が収められた箱と、83kgの粉末フェンタニルが押収されたと報じている。
メキシコの麻薬カルテルは中国から輸入した合成オピオイドを、パニック障害治療薬ザナックス(Xanax)、アデラル(Adderall)、オキシコンチン(OxyContin)などの処方薬に見せかけた薬物を製造する。
メキシコ軍は8日の声明でこの取り締まりを「歴史的」と評し、麻薬カルテルに大打撃を与えたと述べた。
公安によると、今回の押収量はメキシコ史上最大で、末端価格を約2億3000万ドル(313億円)と推定している。
米国では合成オピオイドの過剰摂取による死亡事故が相次いでおり、2020年4月~2021年4月の死者数は初めて10万人を超えた。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性がある。その効果はモルヒネの100倍といわれている。
専門家によると、麻薬カルテルは今回押収されたフェンタニル錠剤50万錠(約543kg)があれば、偽薬数百万錠を作ることができるという。
当局は押収したフェンタニルの純度を明らかにしていない。フェンタニル錠剤には他の物質が混ざっていることが多い。
米国に密輸されるフェンタニル錠剤の大半がメキシコ産で、中国から密輸された合成オピオイドを用いて製造されている。