◎ロシア大統領府の報道官は以前、国家存亡の危機が訪れた時のみ、核兵器を使用すると明言していた。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、ウクライナに対し、ロシアの要求を速やかに受け入れるよう促し、拒否するのであれば最悪の事態に備える必要があると警告した。
プーチン氏は連邦議会議員とのオンライン会合の中で、「ロシアはまだ何もしていない」と述べ、西側諸国が暴力を煽っていると非難した。
またプーチン氏は「西側はウクライナが滅ぶまでロシアと戦いようだ」と警告した。「ウクライナの国民にとっては悲劇ですが、その方向に向かっているように見えます...」
「一言でいえば、我々はまだ何もしていません。まだ何も始まっていないのです」
ロシア大統領府の報道官は以前、国家存亡の危機が訪れた時のみ、核兵器を使用すると明言していた。
プーチン氏は「ロシアは戦いを終わらせる交渉のテーブルにつく用意がある」と述べ、「それを拒絶する人々は、戦いが長引けば長引くほど、ロシアとの取引が難しくなることを理解すべきだ」と指摘した。
「ウクライナは徹底抗戦すると誓ったようですね。やらせてみましょう」
ロシアは開戦直後、ウクライナに対し、2014年に併合したクリミア半島を放棄し、ウクライナ東部の分離主義国家の独立を認めるよう要求した。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はロシアの要求を一蹴し、奪われた領地をすべて取り戻すと誓っている。
ロシアは首都キーウの制圧を諦め、東部ドンバス地方に焦点を合わせている。ドンバスの一部地域を支配するドネツク・ルガンスク両人民共和国はロシアへの編入を希望している。
ロシア軍は今週初め、東部ルハンシク州全土を制圧し、その南西に位置するドネツク州への攻撃を強化した。
ロシアは南部ヘルソン州とそれに隣接するザポリージャ州の一部を制圧しており、ドネツク州と黒海に面するオデーサ州を支配することでウクライナを黒海から遮断したいと考えている。
港をすべて奪われればウクライナの貿易はほとんど機能しなくなり、穀物の輸送も厳しくなるだろう。一方、ロシアはウクライナ南部と国境を接するモルドバの分離主義国家「沿ドニエストル」とドネツク・ルガンスク・クリミア半島を結ぶ陸上回廊を形成できる。
プーチン氏は、西側諸国がウクライナ侵攻を利用してロシアに打撃を与え、弱体化させようとしているという以前の主張を繰り返した。「彼らはロシアを滅ぼしたいと思っています」
またプーチン氏は「西側の対ロシア制裁は世界に分裂と争いをまき散らしているため、ロシアを孤立させるという彼らの目的は達成されない」と断言した。
「この流れは止められません。世界秩序に西洋の考えを押し付けようとする企みは失敗する運命にあります」