◎メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつと考えられている。
メキシコ当局は1日、北東部タマウリパス州で今週初めに射殺されたジャーナリストの娘も入院先の病院で死亡したと発表した。
地方紙エクスプレッソ(Expreso)の記者デラクルーズ(Antonio de la Cruz)氏は6月29日に自宅前で何かに撃たれ、死亡した。この時、車に同乗していた娘のマルティネス(Cinthya de la Cruz Martínez)さんも被弾し、病院で治療を受けていた。
エクスプレッソ紙によると、マルティネスさんは入院先の病院で死亡したという。マルティネスさんは頭に銃弾を受けていた。
メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつと考えられている。2000年代中頃に本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。
西部ハリスコ州の知事は1日、市内のラジオ局で働く女性ディレクターが何者かに刺され、負傷したと明らかにした。同州政府による、女性の容体は安定しているという。
オブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は30日の声明で、表現の自由に対する攻撃を非難し、連邦警察と検察がデラクルーズ氏の事件を引き継いだと発表した。
エクスプレッソ紙によると、デラクルーズ氏は政府当局から政府を批判するツイートを削除するよう求められたことがあるという。
同紙は29日の声明でデラクルーズ氏に哀悼の意を表し、表現の自由に対する攻撃を糾弾した。「テロリストは自分たちに都合の悪い報道を捻じ曲げ、反抗的なジャーナリストとその家族の口を封じようとしています...」
タマウリパス州でここ数十年の間に知事を務めた政治家の大半が、マネーロンダリングや麻薬カルテルとのつながりで告発されている。
エクスプレッソ紙が麻薬カルテルやギャングの標的になったのはこれが初めてではない。2012年にはオフィス前で自動車爆弾が爆発し、2018年には脅迫文と人間の頭部が事務所に届いた。