◎オランダの温室効果ガス排出量は世界全体の約0.5%に相当する。
2022年6月22日/オランダ、ハーグ郊外、政府の温室効果ガス排出削減計画に反対するデモ隊(Aleksandar Furtula/AP通信)

オランダのメディアは27日、政府の温室効果ガス削減計画に反対する農家がいくつかの高速道路を占領したと報じた。

ルッテ(Mark Rutte)首相は今月初めの演説で、この削減計画を「避けられない移行」と呼び、自然保護区域に近いエリアで窒素酸化物の排出量を最大70%、その他の地域では最大95%削減すると表明した。

この発表に農家は激怒し、中部地域で先週行われたデモには数万人と数千台のトラクターが集結した。

法務省の報道官は27日の声明で、高速道路を利用する際は、最新の交通情報を確認するよう国民に呼びかけた。報道によると、ハーグや首都アムステルダムの高速道路に影響は出ていないという。

ゼゲリウス(Dilan Yesilgöz-Zegerius)法相は27日のツイートで高速道路占領を非難した。「いくつかの高速道路が農民の占領下に置かれています。このような違法行為で自分の主張を押し通すことは許されません。警察は介入の準備を進めています。そこまでさせないでください」

オランダ放送協会(NOS)によると、中部の市と町で抗議していたデモ隊の一部が町役場の近くに火を放ったという。死傷者の有無は明らかにされていない。

またNOSはアムステルダムの南東約150kmに位置する町の高速道路に敷き詰められた干し草の山を放送した。報道によると、これは高速道路を占領した農家が置いたものだという。

別の高速道路では複数のトラクターが全車線を封鎖し、大渋滞が発生したと伝えられている。

ルッテ政権は多くの農家が家畜の数を大幅に減らすか、家畜を完全に処分することになると思われる計画に243億ユーロ(約3兆4300億円)を計上するとしている。

一部のEU加盟国はEUの温室効果ガス削減目標を破っており、その影響で予算を計上してもらえない地域が出ている。

欧州司法裁判所の異議申し立ては厳しく、その影響で多くの建設・インフラ工事がストップしているため、政府は行動せざるを得ないのである。

ルッテ政権は屠殺した家畜を補償するとしているが、農家は家畜の数を減らせば生計が成り立たないと主張している。

各州政府はルッテ政権の方針に基づいて1年以内に具体的な排出削減目標を策定しなければならないものの、ルッテ氏率いる自由民主党の一部議員もこの計画に反対している。

オランダの温室効果ガス排出量は世界全体の約0.5%に相当する。

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