◎国連はサヘル地域を支援するために、中央緊急対応基金(CERF)から3000万ドルを拠出している。
国連は20日、サハラ砂漠周辺のサヘル地域に対する食料援助を減らすと発表した。
サヘル地域では干ばつが進み、国連によると、今後3カ月で最大1800万人が飢餓に直面する可能性があるという。
世界食糧計画(WFP)のフィリ(Tomson Phiri)報道官は20日の定例会見で、「これらの地域を支援するための資金が不足している」と説明した。
フィリ氏はサヘルを含む複数の地域の住民がWFPの食料援助に頼っており、削減は飢餓を悪化させる可能性があると警告した。「資金不足により、食料の配給量を削減せざるを得なくなりました...」
サヘル地域で進行中の紛争(マリ北部紛争)も危機に拍車をかけている。この地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード主義者はマリ、チャド、ブルキナファソ、ニジェールなどで猛威を振るっている。
国連によると、チャドの現在の食料配給量は前年のおよそ半分になったという。フィリ報道官は「資金を確保できない場合、チャドの一部地域の援助を7月上旬に停止することになると思う」と述べた。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の予測によると、サヘル地域では今後3カ月の間に最大1800万人が深刻な食料不安に直面し、その多くが栄養失調に直面するという。
OCHAの報道官は配給削減について、「ウクライナ侵攻、コロナウイルス、干ばつ、食料価格の高騰が重なった結果」と説明した。
また報道官は、サヘル地域では5歳未満の児童770万人が栄養失調に苦しみ、そのうち180万人が治療を必要とし、食料配給量を増やすことができなければその数はさらに増加すると警告した。
「ブルキナファソ、チャド、マリ、ニジェールの食料危機は憂慮すべきレベルに達しており、6月~8月のリーンシーズン(食料が最も足りなくなる季節)には危機的状況に陥るでしょう」
国連はサヘル地域を支援するために、中央緊急対応基金(CERF)から3000万ドルを拠出している。