◎ホルタ氏は主権回復から20年の節目にあたる5月20日の午前0時過ぎに宣誓した。
2022年5月20日/東ティモール、首都ディリ、大統領に就任したラモス・ホルタ氏(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

東ティモールの首都ディリで大統領就任式が行われ、ノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ(Jose Ramos-Horta)氏が新大統領に就任した。

ホルタ氏は主権回復から20年の節目にあたる5月20日の午前0時過ぎに宣誓し、喝采を浴びた。同氏は2007年~2012年まで大統領を務めている。

4月19日に行われた決選投票は現職と元大統領の一騎打ちとなり、ホルタ氏が有効票の60%以上を獲得し、グテレス(Francisco “Lu-Olo” Guterres)大統領を破った。

ホルタ氏は就任演説で国民に和解と結束を訴えた。「我々が提案する開発目標を達成するためには団結が欠かせません...」

東ティモールの民主化への移行は険しく、指導者たちは貧困、失業、汚職、独立戦争の遺産、しばしば暴力に発展する激しい派閥争いと闘い続けている。同国の経済は海底油田の収入に依存している。

ホルタ氏は貧困の解消、母子の健康サービスの向上、政治的安定を取り戻す対話の促進を約束した。また、今後2年以内のASEAN(東南アジア諸国連合)加盟を目指すとした。

就任式には旧宗主国であるポルトガルのレベロデソウザ(Marcelo Rebelo de Sousa)大統領やインドネシアの大臣らが出席した。

国連によると、東ティモールの人口の50%が極貧ライン以下で生活し、同国で生まれた新生児1000人のうち42人が栄養失調で5歳の誕生日を迎えられないという。

東ティモールはポルトガルの旧植民地で、1975年の独立後、四半世紀にわたってインドネシアに占領され、国連主導の住民投票を経て2002年に主権を回復した。1999年の住民投票後に発生した紛争の民間人犠牲者は1400人と推定されている。

ホルタ氏は30年近く亡命生活を送ったのち、ベロ(Carlos Filipe Ximenes Belo)司教と共に紛争の公正かつ平和的解決に向けた取り組みが認められ、1996年にノーベル平和賞を受賞、1999年に東ティモールに戻った。

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