◎当局は行方不明者の捜索と爆発に至った経緯を調べている。
キューバ当局は10日、首都ハバナのサラトガ・ホテルで発生した爆発事故について、これまでに42人の死亡を確認したと明らかにした。
サラトガ・ホテルは歌手のマドンナ(Madonna)さんやビヨンセ(Beyonce)さんなどの著名人が宿泊したことで知られるハバナ旧市街の5つ星ホテルで、改修工事を終え10日から営業を再開する予定だった。
爆発は6日の現地時間午前11時過ぎに発生した。ホテルを所有する国営ガビオタ社(Grupo de Turismo Gaviota)によると、爆発はガスタンクの充填中に発生したという。
当局は行方不明者の捜索と爆発に至った経緯を調べている。
ガビオタ社の報道官はAP通信の取材に対し、「専門家による初期調査の結果、サラトガ・ホテルの80%が損壊し、爆発の衝撃で近隣の建物も深刻な被害を受けたことが明らかになった」と説明した。
現地メディアによると、爆発で吹き飛ばれたコンクリート片は100m程離れた議会議事堂でも確認されたという。議事堂の被害はガラスだけで済んだが、ホテルに近い一部の建物の外壁には亀裂が入り、ガラスは粉々に砕け散った。
ガビオタ社の報道官は、「ホテルの今後は関係機関や専門家と協議して決めることになるだろう」と語った。
同社が9日に発表した声明によると、ホテル内では営業再開の準備が進められていたという。ホテル内にいたとされる51人のうち23人は同社の関係者、メイド、料理人、受付係などだった。そのうち3人は行方不明で、当局が行方を捜している。
AP通信は当局者のコメントを引用し、「ガスタンクの充填作業中にガスが漏れ、爆発した可能性がある」と報じた。
保健省は10日、これまでにスペイン人1人を含む42人の死亡を確認し、17人が入院中と報告した。
共産党は公式ウェブサイトに、「少なくとも38戸の建物が爆発の影響を受け、95人が一時転居を余儀なくされた」と投稿している。