◎神殿跡はシナイ半島北西部の「テル・エル・ファルマ(Tell el-Farma)」と呼ばれる都市遺跡内で見つかった。
エジプト政府は25日、シナイ半島で古代ギリシャの神ゼウスを祀る神殿跡が見つかったと発表した。
観光・古代遺産省によると、神殿跡はシナイ半島北西部の「テル・エル・ファルマ(Tell el-Farma)」と呼ばれる都市遺跡内で発掘されたという。
テル・エル・ファルマは古代エジプトのナイルデルタ東端にあったとされる都市ペルシウムとしても知られる。
ペルシウムはファラオ時代後期、グレコ・ローマン時代、ビザンツ帝国時代にも存在したとされ、キリスト教時代やイスラム教時代初期の遺跡も見つかっている。
エジプト考古最高評議会のワジリ事務局長は25日、記者団に、「チームは神殿跡の入り口の門を発掘した」と説明した。「そこには地震で倒れたとされる巨大な花崗岩の柱が2本ありました」
ワジリ氏によると、遺跡はペルシウムの一部と考えられ、教会遺跡の近くで見つかったという。
考古学者たちは礼拝者がゼウス神殿に入る際に利用したとされる花崗岩の階段も発掘した。
ペルシウムの遺跡調査はフランスのエジプト学者がゼウス神殿の存在を示す古代ギリシャの碑文を発見した1900年初頭にさかのぼる。観光・古代遺産省によると、この学者はゼウス神殿跡を見つけることはできなかったという。
シナイ半島の調査チームを率いるフセイン氏はAP通信の取材に対し、「この地域で見つかった碑文は、ローマ皇帝ハドリアヌスがゼウス神殿を改築したことを示している」と説明した。
フセイン氏によると、ゼウス神殿の改築方法を特定するための測量調査を近く開始する予定だという。
エジプト政府は新たな遺跡を各地で発掘しており、コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業の目玉として紹介している。