◎近年、アマゾンでは金価格の高騰に伴い、違法採掘が急増している。
ブラジルの権利団体は11日、先住民族保護区内で昨年、違法な金の採掘が急増したと明らかにした。
権利団体「Hutukara Yanomami Association」のレポートによると、先住民族の女性や少女たちは違法採掘に関与した業者から性行為を強要されたり、虐待を受けたと証言したという。
アマゾンの熱帯雨林にあるヤノマミ族の居留地では、ガリンポと呼ばれる金採掘の跡地が2021年に46%増加し、3,272ヘクタール(東京ドーム700個分)に達したと報告されている。団体によると、この増加量は2018年のモニタリング開始以来、最大だった。
団体は衛星画像と聞き取り調査を基にしたレポートの中で、「30年前に居留地が設定されて以来、最大の侵略行為」と述べている。「違法伐採、水源の破壊、そしてヤノマミ族の領土での金と錫石(スズの主要成分)の違法採掘は、マラリアやその他の感染症に加え、先住民族に対する暴力を急増させました」
近年、アマゾンでは金価格の高騰に伴い、違法採掘が急増している。
公式発表によると、昨年ブラジルのアマゾンで違法採掘によって破壊された土地は125㎢(東京ドーム2670個分)に達した。
犯罪組織とつながりのある違法業者は、堆積物から金を分離するために使用する水銀で川を汚染したり、時には住民を襲うなど、先住民族のコミュニティで数々の虐待を行ったと告発されている。
しかし、極右のボルソナロ大統は先住民族の土地の採掘を合法化する法案を推進し、先住民族団体や環境保護団体の抗議を却下し、土地開発で多くの利益を得る企業や投資家のために働き続けている。
団体が公表したレポートには、業者がヤノマミ族の女性にアルコールや薬物を与え、性的虐待や強姦したという訴えも含まれている。
ヤノマミ族の証言者によると、業者は食料と引き換えに性行為を要求し、ある鉱山労働者は思春期の少女に食料と引き換えに結婚を要求した。
証言者はレポートの中で、「先住民の女性は鉱夫を脅威と見なしている」と述べ、厳しく非難した。
ヤノマミ族の居留地面積はブラジル北部の97,000㎢(北海道の1.2倍)に及び、ヤノマミ族、イェクアナ族、その他の少数部族約29,000人が生活している。
AFP通信によると、ブラジルの環境当局はこのレポートに関する質問を受け付けなかったという。