◎国民の怒りはカスティジョ大統領が抗議デモを抑えるという理由で突然外出禁止令を出した後、爆発した。
ペルーのカスティジョ大統領は7日、燃料や食料価格の高騰に抗議するデモが全国各地で続いていることを受け、1カ月の非常事態を宣言した。
地元メディアによると、首都リマの主要な高速道路はトラック運転手や農業労働者のデモ隊に占領され、1週間以上封鎖されている。
世界各地でロシア・ウクライナ戦争による物価上昇が加速しており、ペルーでも多くの国民、特に低中所得者層が政府に支援を求めている。
7日の官報によると、政府は非常事態宣言に基づき、不法占拠を排除するために軍隊を派遣できるようになる。また、結社や移動の自由を含む特定の権利を一時的に停止することも可能になった。
官報には、「警察は軍隊の助けを借りて国内秩序を管理する」と書かれている。
首都リマの南約300kmに位置するイーカではデモ隊と警察が衝突し、農民1人が死亡、警察官を含む15人が負傷した。
国民の怒りはカスティジョ大統領が抗議デモを抑えるという理由で突然外出禁止令を出した後、爆発した。
政府は4日午後にリマと近郊の港湾都市カヤオに24時間の外出禁止令を課し、企業や労働者を混乱させた。その後、カスティジョ大統領は一部のデモ隊が外出禁止令を無視して激しく抵抗し始めたため、5日の夕方に突然封鎖を解除し、国民に落ち着くよう促した。
野党や人権団体も突然の外出禁止令を「蛮行」「人権侵害」などと非難した。
カスティジョ大統領は燃料税の引き下げ、最低賃金の引き上げ、必要不可欠な日用品の消費税免除などを提案しているが、一部の専門家は「後先考えない対策」はコロナで傷ついた脆弱な経済をさらに痛めつける可能性があると懸念を表明している。
元教師の急進左派であるカスティジョ大統領は昨年7月の就任以来、様々な問題に直面してきた。
2月初めには新首相が就任3日で辞任し、先月末には2度目の弾劾請求を何とか回避した。野党はカスティジョ大統領を汚職で告発しているが、大統領は告発を却下している。またトンガの海底火山噴火後に発生した原油流出災害も危機に拍車をかけた。
世論調査会社データムが7日に公表した世論調査によると、カスティジョ大統領の支持率は19%まで落ち込み、過去最低を更新した。