◎スリランカは国債の利払いにひどく苦労している。
スリランカの野党は4日、挙国一致内閣を発足させるというラージャパクサ大統領の提案を却下し、深刻な食糧、燃料、医薬品不足を引き起こし、経済危機を悪化させたラージャパクサ大統領に辞任を求めた。
過去最悪の経済危機とラージャパクサ大統領の指導力に対する不信感が高まる中、国中で反政府デモが開催され、野党もこれに参加した。
大統領府は4日、「この国家的危機の解決策を見つけるために、挙国一致内閣の発足を要請する」と声明を発表した。
最大野党「統一人民戦線(SJB)」はこの提案を却下し、ラージャパクサ大統領に引退を勧告した。
SJBのバンダラ議員はAP通信の取材に対し、「国民はラージャパクサ家全員の退陣を望んでおり、我々は国民の意思に反し、汚職者と一緒に働くことはできない」と述べた。
左翼の人民解放戦線もラージャパクサ家に退陣を命じた。
人民解放戦線のディサナヤカ議員は首都コロンボのデモ会場で記者団に「大統領は精神異常者」と語った。「あの男は野党が崩壊しつつある政府を支えてくれると思っています。本物の精神異常者です...」
少数野党のタミル国民連合(TNA)も引退勧告に加わった。
TNAのスマンティラン議員はAFP通信のインタビューで、「野党議員による内閣改造の提案は無意味であり、無意味であり、無意味です」と語った。「統一政府を望んでいる国民はひとりもいません」
数千人の抗議者がラージャパクサ政権の非常事態宣言と夜間外出禁止令(解除済み)を無視し、政府を非難する街頭抗議デモに参加している。政府の閣僚は3日、デモ隊への取り締まりが強化されたことなどに抗議し、26人全員が辞表を提出した。
ラージャパクサ家のバジル財務相、チャマル灌漑(かんがい)相、ナマルスポーツ相も辞任したが、ラージャパクサ大統領と兄のマヒンダ・ラージャパクサ首相は権力の椅子にしがみついている。
閣僚の一斉辞任でラージャパクサ家の力は弱体化し、国民の意思を受け入れるという道が開かれた。
しかし、ラージャパクサ大統領はすでに4人の閣僚(うち3人は元の職)を再任し、財務相は弟のバジル氏から司法長官に変更した。
デモ隊は首都コロンボの中央広場からラジャパクサ家の豪華な私邸に向かって行進し、警察の放水砲に直面した。
国民は放水砲だけでなく、政府が外貨を獲得できないプロジェクトに数十億ドルを費やしたことによる過去に類を見ない経済危機に悩まされている。同国は今年、対外債務を70億ドル近く処理する予定だが、外貨準備は3月中頃時点で4億ドルを下回った。
外貨不足で日用品の輸入代金を支払えなくなった時、危機は表面化した。食料、医薬品、灯油、ありとあらゆる物資が不足し、インフレを加速させた。電力会社は火力発電に必要な燃料を確保できず、停電が常態化している。
退陣を求める声が高まる中、ラージャパクサ大統領は1日の深夜に緊急事態宣言を発令し、警察と政府の権限を強化した。その翌日には夜間外出禁止令を発令し、デモ隊に落ち着きを求めた。これは4日朝に解除されている。
また当局は、抗議デモの組織化に利用されたフェイスブック、ツイッター、ユーチューブ、WhatsAppなどのSNSへのアクセスを15時間近くブロックし、国民の怒りに油を注いだ。