◎北朝鮮は先月、4年ぶりに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射試験を行い、西側と韓国を威嚇した。
北朝鮮の金正恩 党総書記の妹は3日、韓国が北朝鮮への先制攻撃に言及したことについて、韓国国防相を「クズのような男」と呼び、韓国は深刻な脅威に直面する可能性があると警告した。
キムは先月、4年ぶりに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射試験を行い、西側と韓国を威嚇した。
一部の専門家は、「金与正(キム・ヨジュン)の警告は北が近いうちにもっと重要な兵器実験を行い、韓国に対して強硬な姿勢を取ることを示唆している」と指摘した。
まもなく退任する韓国の文在寅大統領はキムのICBM発射で面目をつぶされた。文大統領は南北の対話を促進し、核開発を含む様々な問題の解決策を見出そうとしていた。
1日に戦略ミサイル司令部を訪問した徐旭 国防部長官は、「北朝鮮が韓国に向けてミサイルを発射すると察知した場合、韓国は北に精密打撃を加える用意がある」と述べ、場合によっては先制攻撃もあり得ると示唆した。
韓国政府は北の核やミサイルの脅威に対処するための軍事戦略と準備を長年維持してきたが、公の場で先制攻撃の可能性に言及するのは異例である。
ヨジュンは徐 国防相の発言を却下し、韓国を脅迫した。
ヨジュンは国営メディアが掲載した声明の中で、「無分別でクズのような男が核兵器保有国への先制攻撃に言及した」と述べた。「韓国は国防相の無謀な発言により、深刻な脅威に直面する可能性がある。韓国は災難を避けたいなら、自らを律するべきだ...」
ヨジュンは朝鮮労働党のナンバー2で、ソウルとワシントンD.C.との問題を担当している。
労働党のジョンチョン書記も別の声明で、「現在の状況下で相手を混乱させる発言や判断ミスは、危険な衝突と本格的な戦争を引き起こす可能性がある」と韓国を威嚇した。
ジョンチョン書記は、「韓国が北朝鮮を先制攻撃した場合、北朝鮮はソウルの主要目標や韓国軍を破壊するために容赦なく軍事力を行使するだろう」と述べた。
南北の緊張は2018年の米朝首脳会談と、核開発を交渉のテーブルに乗せるとキムが表明したことで一時的に緩んだ。
ヨジュンは平昌冬季五輪の開会式に出席し、文大統領に訪北を求めるキムの招待状を渡した。南北の首脳はその年、3回直接会談した。
しかし、キムは2019年、米朝首脳会談で示された提案を却下し、トランプ政権との関係を断ち切り、文大統領との関係もまもなく破綻した。
ソウルの梨花大学のイーズリー教授はAP通信の取材に対し、「金与正の発言はさらなる軍事実験を予感させる」と指摘した。「ロシアと中国がウクライナ侵攻はNATOのせいだと言ったように、北朝鮮は核とミサイル開発を米韓同盟のせいにするでしょう...」
韓国の私立世宗研究所のアナリストであるチャン氏は地元メディアのインタビューの中で、「北朝鮮の一連の発言は韓国に対して強硬な手段を取ることを示唆している」と指摘した。「北は韓国の攻撃を事前に察知する軍事力を持っていないため、先制攻撃を警戒しています...」
またチャン氏は、「韓国政府が先制攻撃について公に発言すれば、北はさらに態度を硬化させ、南北間の緊張を高めるだけだ」と述べた。
文大統領の後任である尹錫烈(ユン・ソクヨル)氏は選挙期間中、北朝鮮への先制攻撃戦略について何度も議論していた。
リベラル派のライバルたちは不必要に北朝鮮を刺激していると批判したが、ユン氏は北に厳しく対応すると約束している。
一方、米国は北朝鮮に前提条件なしの会談に戻るよう求めているが、北は米国が先に敵意を捨てるべきと主張し、申し出を拒否している。
米国は北が核開発と核兵器を破棄すると約束すれば、制裁解除に向けた交渉を行うと示唆している。
一部の専門家は北の最近のミサイル試験について、「兵器技術を完成させ、米国との将来の交渉で優位に立ち、より強い内部忠誠心を確保するためのもの」と指摘している。
韓国の専門家によると、北朝鮮は今後数週間のうちにICBMの発射、衛星搭載ロケットの打ち上げ、核実験を行う可能性があるという。