◎国軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民になった。
2021年7月3日/エチオピア、北部ティグライ地域の州都メケレ、ティグライ国防軍の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

エチオピア北部ティグライ州を統治するティグレ人民解放戦線(TPLF)は25日、エチオピア政府が24日に発表した「無期限の人道的停戦」に合意すると発表した。

地元メディアによると、TPLFは声明の中で北部ティグライ地域への援助物資輸送を妨げず、停戦を維持することに合意したという。

TPLFは「即時の敵対行為の停止を約束する」と述べ、エチオピア政府にティグライ州を含む北部地域に対する緊急援助を要請した。

国軍とTPLFの戦闘は2020年11月に本格化し、これまでに民間人数万人が死亡、数百万人が国内避難民になり、数万人が隣国スーダンに逃亡した。

国軍は2020年11月末にティグライ地域の大半をTPLFから奪取したが、TPLFは北部地域などで活動する反政府勢力と同盟を結んでティグライ国防軍(TDF)を結成し、昨年6月の奇襲攻撃でティグライ地域の支配権を取り戻した。

内戦が本格化した昨年末、TPLFは本拠地のティグライ州に撤退し、その後政府も大規模な侵攻を控え、先月には国家非常事態宣言を解除した。

地元メディアや人道機関によると、ティグライ州と隣接するアファール州で戦闘が続いていた影響で、アファール州の州都とティグライ州の州都を結ぶ唯一の道路が封鎖され、食糧や医薬品輸送が妨げられてきたという。

国連のバチェレ人権高等弁務官は今月初め、内戦に巻き込まれ孤立した市民への援助輸送が妨げられていることを厳しく非難した。

国連によると、2月中旬以降、40万人以上の避難民のニーズに応えるために、人道支援活動を別の地域に移転せざるを得なかった。

非営利団体オックスファム・インターナショナルは今月、東アフリカで進行中の食糧危機により、少なくとも2,800万人が極度の飢餓に陥る可能性があると警告した。

エチオピアの食糧不安は内戦の影響で急拡大し、ティグライ地域だけで350万人が危機的な水・食糧不足に陥っている。約100万頭の家畜が死に、牧畜で生計を立てている人々は財産をすべて失った。母親は子供に食事を与えるために数日食事を取らないことも珍しくない。

2021年5月8日/エチオピア北部ティグライの難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)
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