◎アフリカ大陸の食糧と燃料価格もロシア・ウクライナ戦争の影響で高騰している。
2011年7月23日/ケニア東部の難民キャンプ(Getty Images/AFP通信)

非営利団体オックスファム・インターナショナルは22日、東アフリカの住民最大2,800万人がロシア・ウクライナ戦争と干ばつにより、極度の飢餓に陥る危険性があると警告した。

アフリカ大陸の食糧と燃料価格も高騰している。

オックスファムは声明の中で、国際社会の対応は不十分と指摘し、東アフリカの状況を注視する必要があると警告した。

東アフリカでは、すでに何百万人もの人々が深刻な食糧難に陥っている。

ケニア、ソマリア、エチオピアは過去40年間で最悪の干ばつに見舞われている。一方、世界で最も貧しい国のひとつである南スーダンでは大規模な洪水が発生し、農作物が大打撃を受けた。

オックスファムのガブリエラ・ブッチャー事務局長は、「ウクライナ侵攻は世界の食糧システムに深刻な影響を与え、最も貧しく脆弱な人々が最も激しく、最も早く打撃を受けるでしょう」と述べている。

またブッチャー事務局長は、「食糧価格の高騰はすでに複数の危機に苦しんでいる何百万人もの人々にとって”鉄槌”のようなものであり、高騰が引き起こす支援不足は致命的なものになる可能性があります」と警告し、国際社会に支援の強化を呼びかけた。

オックスファムは国際社会の対応を「資金不足」と批判し、エチオピア、ソマリア、南スーダンに対する国連の2022年人道支援要請額60億ドル(約7,200億円)のうち、わずか3%しか資金が集まっていないと明らかにした。

東アフリカ諸国は輸入小麦の約90%をウクライナとロシアから調達している。

ケニアの住民オマル氏はオックスファムの取材に対し、「干ばつでロバが死に、残ったロバもひどく弱っているため荷車を引くことができません」と語った。

ソマリアの住民は、「私の家族は今日何を食べることができるか、次の食事はどうしようか、今日は水を手に入れることができるだろうか、と考えています」と述べた。

オックスファムによると、エチオピア、ケニア、ソマリアでは2022年の第1四半期だけで1,300万人以上が水と牧草を求めて国内外避難民になった。特にエチオピアでは数百万人が内戦で土地を追われ、940万人が緊急の人道支援を必要としている。

また東アフリカは過去70年間で最悪のイナゴの大発生に見舞われ、南スーダンで発生した洪水は約100万人に影響を与えた。

ケニアでは農作物の生産が70%減少し、政府は国家災害を宣言した。国連によると、ケニアの市民310万人が深刻な飢餓状態にあり、緊急の支援を必要としている。またケニアの全世帯の約50%が食料を購入するために借金をしているとのこと。

エチオピアの食糧不安は内戦の影響で急拡大し、北部地域だけで350万人が危機的な水・食糧不足に陥っている。約100万頭の家畜が死に、牧畜で生計を立てている人々は財産をすべて失った。母親は子供に食事を与えるために数日食事を取らないことも珍しくない。

ソマリアでは国土の90%近くが深刻な干ばつに見舞われ、今年だけで約68万人が国外に逃亡した。オックスファムによると、ソマリアの5歳未満の児童の約半数が急性栄養失調に陥る可能性があるという。

南スーダンでは干ばつと政治不安の影響で推定830万人が深刻な食糧不足に直面している。

2021年5月8日/エチオピア、北部ティグライ地域の難民キャンプ(Ben Curtis/AP通信)
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