◎政府は先月、18歳以上の全国民にコロナワクチン接種を義務付ける法律を施行した。
オーストリア政府は9日、先月施行した18歳以上の全国民にコロナワクチン接種を義務付ける法律について、取り締まりと罰金の徴収は行わないと発表した。
この法律は重症化リスクの高いデルタ株の感染拡大を想定していたが、オミクロン株の影響で入院患者と死亡者は急減し、今月末には市民の危機感も薄れていた。
当初の計画では3月中旬から全国で取り締まりを開始し、ワクチンを接種していない人に必要書類の提出を求め、接種を拒否した人に最高600ユーロ(約78,000円)の罰金を科す予定だった。なお、基礎疾患や医療上の理由でワクチンを接種できない人と妊婦は免除。
正当な理由なく罰金の支払いを拒否すれば、罰金額は最大3,600ユーロ(約47万円)まで引き上げられる可能性がある。
政府は9日、「3月中旬から予定していた取り締まりと罰金徴収計画を停止し、現時点で執行する必要はないと考えている」と明らかにした。
公共放送ORFによると、政府の専門家委員会は6月に感染状況を再評価し、義務化を維持するかどうか判断する予定だという。
法律は2024年1月末まで有効で、それ以前にコロナが終息すれば失効を早める予定だった。