◎ゲアハルト・シュレーダー氏は社会民主党の党首として1998年から2005年までドイツの連邦首相を務めた。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は3日、ゲアハルト・シュレーダー元首相に対し、ロシアの国有企業の役職を辞任するよう要請した。
シュレーダー氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と良好な関係を築いており、先週のウクライナ侵攻以来、多くの批判を集めている。
同氏は現在、ロシアの国営エネルギー企業ロスネフチの会長を務めており、また、ドイツとロシアを結ぶ物議を醸しているガスパイプライン「ノルドストリーム1・2」の建設プロジェクトでも主導的な役割を果たした。
また同氏は、ロシアのエネルギー最大手である半国営企業ガスプロム社の監査役にも就任する予定である。
ショルツ首相はZDFのインタビューの中で、「シュローダー氏にポストから撤退することを助言する」と述べた。
またショルツ首相は、「シュレーダー氏はドイツの元首相であり、ロシア企業とのつながりは私的な問題ではない」と述べ、ロシアとのビジネス関係をすべて断ち切るよう強く求めた。「この”義務”は役職から撤退した後も続きます...」
シュレーダー氏は社会民主党の党首として1998年から2005年までドイツの連邦首相を務めた。シュレーダー氏は政界を引退しているが、ウクライナ危機が始まる以前からロシアとの密接な関係で批判されていた。
社会民主党のクリングバイル幹事長とエスケン党首は3日、シュレーダー氏に国営企業のポストを辞任するよう促す手紙を書いたと発表した。
戦後のドイツは西側の主要国である一方、ロシアとも良好な関係も維持しようとしてきた。これはビジネスの利益と国内のエネルギー需要に後押しされた政策であった。
しかし、ショルツ首相は今週、ロシアのウクライナ侵攻を厳しく非難し、ウクライナ政府に対戦車兵器と地対空ミサイルを供与すると発表した。
ドイツは紛争地域への武器輸出を長年拒否してきたため、この決断は驚きを持って報じられた。
またショルツ首相は国防費をGDPの2%まで拡大し、2022年度予算で1,000億ユーロ(12.7兆円)拠出すると発表した。2021年度の国防費は約470億ユーロ。