米財務省、ニカラグア政府高官や金産業関係者に制裁
制裁対象となったのは政府高官でもオルテガ氏の息子2人、エネルギー省の高官や複数の企業関係者、企業など。
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米財務省は16日、中米ニカラグアの金産業に関与する政府高官や企業に対し新たな制裁を科すと発表した。その中には独裁者のオルテガ(Daniel Ortega)大統領と妻のムリジョ(Rosario Murillo)共同大統領の息子2人も含まれている。米財務省は対象の人物や組織が抑圧的な政権を支える資金源になっていると指摘している。
制裁対象となったのは政府高官でもオルテガ氏の息子2人、エネルギー省の高官や複数の企業関係者、企業など。金の採掘や輸出を通じて政府の資金確保に寄与しているとされる。
米財務省はニカラグア政府が金産業における汚職や不透明な取引を通じて収益を上げ、それを政権維持や関係者の利益にしていると非難した。また、米国企業が関与する鉱山事業の資産が不当に接収された問題も制裁の背景にあるとしている。米財務省は声明で、「米国資産の不法な没収を容認せず、オルテガを支える資金源を今後も標的にする」と強調した。
ニカラグアでは2018年の大規模な反政府デモ以降、オルテガ政権による弾圧が続いている。政府は抗議デモを武力で鎮圧し、その後も反体制派や宗教指導者、ジャーナリストらを拘束・追放するなど統制を強めてきた。数千の市民団体やNGOが閉鎖され、数十万人が国外への避難を余儀なくされている。
国連もオルテガ政権が汚職を通じて政治的抑圧を資金面から支えていると指摘し、今回の制裁はこうした国際的な懸念を踏まえたものとなっている。
トランプ政権は近年、中南米の反米政権に対する圧力を強めており、ニカラグアに対しても制裁を段階的に拡大してきた。これまでキューバやベネズエラほど強い措置は取られてこなかったものの、今回の措置はその姿勢の変化を示すものといえる。
一方、ニカラグア政府は制裁について公式な反応を示していないが、これまでも米国の批判に対しては内政干渉だと反発してきた経緯がある。政権側は反対勢力が米国と結託して体制転覆を図っていると主張し、対立が深まっている。
今回の制裁は資源産業を通じた権力基盤に直接打撃を与える狙いがあり、ニカラグア経済や政権運営に一定の影響を及ぼす可能性がある。人権問題と経済活動が結びつく形で国際的圧力が強まる中、ニカラグアをめぐる情勢は今後も緊張が続くとみられる。
