キューバ経済危機、創意工夫によって何とか生活を維持する国民たち
国内各地では停電が常態化、一部地域では1日18時間以上に及ぶ停電が発生している。
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米国による経済制裁と燃料封鎖が続くキューバで、国民は深刻な物資不足や長時間の停電に直面しながらも、創意工夫によって日常生活を維持している。トランプ政権は今年、対キューバ圧力を大幅に強化し、石油供給国に制裁や関税をちらつかせることで同国への燃料輸出を事実上阻止した。その結果、キューバでは燃料不足が深刻化し、電力、交通、医療、水道など社会基盤全体が大きな打撃を受けている。
国内各地では停電が常態化、一部地域では1日18時間以上に及ぶ停電が発生している。発電所の稼働に必要な燃料が不足し、国家電力網は危機的な状況に陥っている。さらにディーゼル燃料や重油の在庫も枯渇し、公共交通機関の運行や農業生産、物流活動にも影響が生じている。
しかし、厳しい環境の中でも多くの国民は生活を続けるための工夫を重ねている。農村部では燃料を必要としない牛耕が広く利用されるようになり、都市部では電動三輪車や自転車が重要な移動手段となっている。家庭や事業所では太陽光パネルの導入が進み、限られた電力を確保しようとする動きも広がっている。燃料不足によって自動車の利用が難しくなる中、一部では木炭を利用して車両を走らせる試みも見られる。
経済面への影響も深刻だ。観光業は燃料不足と航空便の減少によって大幅に落ち込み、ホテルや観光施設の閉鎖が相次いでいる。外国企業の撤退も進み、外貨獲得の重要な柱であった観光産業が打撃を受けている。加えて、水道設備の運転や維持管理にも必要な燃料が不足し、数百万人が断水に直面している。
一方で、政府に対する抗議デモは限定的にとどまっている。長年にわたり国民の間には困難に耐える「抵抗」の文化が根付き、政府による監視や取り締まりへの警戒感も反体制運動の拡大を抑制しているとみられる。ただし、停電や食料不足への不満は徐々に高まっており、一部地域では抗議行動も発生している。
国連の専門家は米国の燃料封鎖が人権や経済発展に重大な影響を及ぼしていると懸念を表明してきた。米国は体制変革を目指して圧力を強めているが、キューバ政府は依然として統治を維持している。ソ連崩壊後の「悪夢」を経験した国民は今回も粘り強く適応しているものの、専門家の間では現在の状況が長期的に持続可能ではないとの見方が強まっている。キューバ社会の忍耐力はいま、大きな試練に直面している。
