◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2022年7月11日/ハイチ、首都ポルトープランスの政府庁舎近く(Odelyn Joseph/AP通信)

ハイチ国家警察が首都ポルトープランス西部の警察署を武装ギャングから奪還した。当局が1日、明らかにした。

それによると、正体不明の武装ギャングは6月30日にこの警察署を制圧。その過程で不特定多数の市民が死亡したという。

警察は翌日、この警察署に特殊部隊を送り込み、支配権を取り戻したとみられる。

SNSで拡散した動画には武装した男たちが警察署に踏み込み、銃を乱射する様子が映っていた。男たちはその後、警察署の周囲に火を放ち、空に向けって銃を乱射していた。

この警察署は5月にも武装ギャングの襲撃を受け、銃撃戦になっていた。周辺住民は署長ら幹部を解任するよう求めていた。

国連によると、5月の襲撃は地域社会に衝撃を与え、数千人がどこかに避難したという。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80~90%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

国連はこの抗争で2500人以上が死傷、50万人以上が住居を失ったと推定している。

国連PKOを率いるケニア国家警察の先発隊は先週、ポルトープランスに到着。ミッションの準備を進めている。

ギャングは2月下旬以降、ポルトープランスの20以上の警察署を襲撃し、数十人を殺害した。

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