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メキシコで中国車の販売台数急増、市場シェア拡大 2026年上半期

メキシコ自動車販売ディーラー協会(AMDA)が20日に公表した統計によると、2026年上半期の中国ブランド車の販売台数は13万7525台となり、前年同期の10万7712台から約28%増加した。
中国の電気自動車(EV)大手BYDの直営店(Getty Images)

メキシコで中国メーカー製自動車の販売が急拡大している。メキシコ政府は今年1月、中国を含むアジア諸国から輸入される完成車に50%の関税を導入したが、中国ブランドの販売は勢いを維持しており、市場シェアをさらに拡大させている。米国が中国製自動車の北米市場への流入に警戒を強める中、メキシコ市場の動向は北米の通商政策にも影響を与える可能性がある。

メキシコ自動車販売ディーラー協会(AMDA)が20日に公表した統計によると、2026年上半期の中国ブランド車の販売台数は13万7525台となり、前年同期の10万7712台から約28%増加した。

市場シェアも14%から17%に上昇し、中国メーカーはメキシコ市場で存在感を一段と高めている。販売をけん引したのは吉利汽車(Geely)、MG、長安汽車(Changan)などで、比亜迪(BYD)は販売台数がやや減少したものの、中国ブランドの中では最大の販売規模を維持した。

メキシコ政府は中国製自動車の急増を抑制し、国内産業を保護する目的で50%の追加関税を導入した。しかし政府関係者は、関税導入前に多くのメーカーや販売代理店が在庫を積み増していたため、すぐには影響が表れなかったと説明している。実際、中国からの完成車輸入は2026年1~5月に前年同期比43%減となり、輸入自体は関税の影響を受けているとの見方を示している。

一方で、市場関係者は、中国メーカーが関税負担の一部を自社で吸収し、価格競争力を維持していることが販売増加の背景にあると分析する。中国車は欧米や日本メーカーに比べて価格が安く、EVやハイブリッド車を含め装備が充実していることから、インフレによる家計負担が続くメキシコでは消費者の支持を集めている。また中国ブランドは販売店網やアフターサービス体制の整備も進めており、新興ブランドとしての信頼性も高まりつつある。

中国メーカーの市場シェアは2020年には1%未満だったが、わずか数年で17%にまで拡大した。この急成長は米国の懸念材料となっている。米国は中国メーカーがメキシコを生産や販売の拠点として北米市場への足掛かりを築くことを警戒しており、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直し交渉でも自動車分野が争点となっている。

専門家は、関税だけで中国メーカーの勢いを止めることは難しいと指摘する。中国メーカーはコスト競争力に加え、電動化技術や新車投入のスピードでも優位性を持ち、海外市場への進出を加速させている。メキシコ市場での販売拡大はその象徴的な事例であり、今後も価格競争や通商政策を巡る駆け引きが続く中で、中国メーカーがどこまでシェアを伸ばすかが注目される。

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