セネガル反LGBTQ法、24歳男性に実刑判決、施行後初
首都ダカールの裁判所は13日、24歳の男性に対し、「不自然な行為および公然わいせつ」にあたるとして、禁錮6年と罰金200万CFAフラン(約56万円)を言い渡した。
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アフリカ西部・セネガルで同性愛行為に対する刑罰を強化した新法の下で初となる有罪判決が下され、国内外に波紋が広がっている。同国では従来から同性愛は違法とされてきたが、先月の法改正により処罰が一段と厳格化され、人権状況への懸念が強まっている。
現地報道によると、首都ダカールの裁判所は13日、24歳の男性に対し、「不自然な行為および公然わいせつ」にあたるとして、禁錮6年と罰金200万CFAフラン(約56万円)を言い渡した。これは新たに強化された法律の下で初めての有罪判決である。
セネガルではもともと、同性愛行為は刑法により禁じられ、1年から5年の禁錮刑が科されていた。しかし2026年3月に成立した新法では、この刑期が5年から10年へと大幅に引き上げられた。さらに、同性愛の「促進」や「資金提供」とみなされる行為も処罰対象に含まれ、当局の取り締まり権限が拡大している。
今回の判決はこうした法改正の影響を象徴する事例と受け止められている。人権団体は新法によって警察の摘発が一層強化され、LGBTQ+(性的少数者)に対する圧力が高まっていると指摘する。国際人権団体は現地の状況について「常に恐怖が存在する」と述べ、国家による後ろ盾のもとで逮捕がより積極的に行われていると警告している。
セネガルはイスラム教徒が多数を占め、同性愛に対する社会的な拒否感も根強い。こうした背景のもと、政府は伝統的価値観の擁護を掲げて法改正を進めてきた経緯がある。一方で、この動きはアフリカ各国で広がる同性愛規制強化の流れとも一致しており、地域全体での人権状況の後退が懸念されている。実際、アフリカ54カ国のうち30カ国以上で同性愛行為は犯罪、一部の国では死刑が適用されるケースもある。
また新法は単なる刑罰強化にとどまらず、市民社会にも影響を及ぼしている。同性愛に関する支援活動や啓発活動が「促進」と見なされる可能性があるため、NGOや人権団体の活動が縮小しているとの指摘もある。これにより、LGBTQ+の権利擁護だけでなく、HIV対策など公衆衛生分野への影響も懸念されている。
今回の有罪判決はこうした新法の実効性を示すと同時に、国内外の議論を一層活発化させる契機となっている。政府は治安や道徳秩序の維持を強調する一方、国際社会は表現の自由や人権の観点から懸念を強めており、セネガルの今後の法運用と社会状況に注目が集まっている。
