◎全国の公務員や労働者数十万人を代表する全国労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)は10月3日から無期限ストを実施する予定。
ナイジェリア、最大都市ラゴスで行われたデモ(Getty Images)

ナイジェリアの主要労働組合がインフレに抗議する全国規模のストライキを計画している。地元メディアが26日に報じた。

それによると、全国の公務員や労働者数十万人を代表する全国労働会議(NLC)と労働組合会議(TUC)は10月3日から無期限ストを実施する予定だという。

両労組は26日付けの共同声明で、「ティヌブ政権は責任を完全に放棄し、我が国の労働者に耐え難い苦痛と困難を与えている」と非難した。

アフリカ最大の経済大国であるナイジェリアでは政府がガソリン補助金を打ち切った後、消費者物価指数(CPI)が急上昇した。

ここ数カ月のインフレ率は25%に達し、ガソリン価格は3倍に跳ね上がった。

NLCとTUCは全国の組合員に対し、10月3日からストを決行すると呼びかけ、政府が行動を起こすまで街頭抗議集会を続けると表明した。

今年就任したティヌブ(Bola Tinubu)大統領は数十年続いたガソリン補助金を含む低中所得者層向けの支援策を打ち切り、結果、ガソリン価格は今年に入って約3倍に急騰。多くの家庭や企業が燃料の確保に苦労している。

地元メディアによると、NLCは医療、建設、その他産業の労組の代表。TUCは教師や銀行員などを代表している。

ナイジェリアの労組は過去にも何度か全国規模のストを決行している。8月の24時間ストでは首都アブジャや最大都市ラゴスの企業、政府機関、市場、銀行が閉鎖された。

ガソリン価格を低く抑えるための支援策には毎年何十億ドルもの予算が費やされている。

ナイジェリアはOPEC(石油輸出国機構)のメンバーであり、アフリカ最大の原油生産国だが、精製能力が低く、国内で消費する燃料の大半を輸入している。

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