◎サル痘ウイルスを保有している動物の血や肉に触れると感染する恐れがある。
2020年5月5日/ナイジェリアのブッシュミート販売店(Getty Images/AFP通信)

ナイジェリア政府は1日、国内でサル痘患者が相次いで確認されたことを受け、ブッシュミートの販売と消費を禁止すると発表した。

ブッシュミートは野生動物から得る肉のことで、ナイジェリアではヒョウ、カバ、チンパンジー、馬、猫、その他の動物の生肉が露店などで販売されている。

政府報道官は5月31日の会見で猟師や業者に対し、ブッシュミートの販売を中止するよう命じていた。

また報道官は、個人で狩りを行っている市民にブッシュミートを食べないよう促した。地方の住民はレイヨウ、チンパンジー、コウモリ、ネズミ、ヤマアラシ、ヘビなどを自分で狩り、食している。

報道官は国民に対し、サル痘に感染していると疑われる個人への接触を避け、体調に異変を感じた時は最寄りの医療機関に相談するよう呼びかけた。

政府はSNSでもブッシュミートに警戒するよう呼びかけている。「狩人や売人はブッシュミートの取引を直ちに停止してください...」

ナイジェリア疾病予防センター(NCDC)は今週、国内で21人のサル痘患者を確認し、1人が死亡したと報告した。

サル痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつで、1970年にコンゴ民主共和国で初めて検出された。

医療専門家によると、この感染症の重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復するという。死亡率は5~10%程度。

専門家によると、サル痘ウイルスを保有している動物の血や肉に触れると感染する恐れがあるという。また調理済みのブッシュミートを食べる場合も注意が必要で、加熱不十分な肉にはウイルスが残っている可能性がある。

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