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マリ軍政の国防相、アルカイダ系武装勢力の襲撃で死亡=報道

死亡したのは軍事政権のサディオ・カマラ国防相で、バマコ郊外に位置する軍事基地内の自宅が襲撃された。
2021年5月30日/マリ、首都バマコ、暫定大統領に就任したアシミ・ゴイタ大佐(Getty Images/AFP通信)

アフリカ西部・マリの首都バマコ近郊にある軍事拠点を標的とした武装勢力の攻撃について、現地メディアは26日、この攻撃で国防相が死亡したと報じた。これは同国の治安悪化を象徴する重大事件として波紋を広げている。

報道によると、死亡したのは軍事政権のサディオ・カマラ(Sadio Camara)国防相で、バマコ郊外に位置する軍事基地内の自宅が襲撃された。攻撃は4月25日に発生し、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」による犯行とみられている。

今回の襲撃は単発の事件ではなく、国内各地で同時多発的に行われた大規模攻勢のひとつである。バマコ周辺に加え、中部や北部ガオ、キダルなど複数の地域でも戦闘や銃撃が確認され、近年でも最大規模の武装攻撃の一つとみられている。

カマラ氏は軍政の中核を担う重要人物で、近年は旧宗主国フランスなど西側諸国との関係を見直し、ロシアとの協力関係を強化する政策を推進してきた。こうした路線の象徴的存在とされる同氏の死亡は、軍政にとって大きな打撃となる可能性がある。

また今回の攻撃ではアルカイダ系組織とトゥアレグ系反政府勢力が連携した可能性も指摘されている。両者はこれまで必ずしも一体ではなかったが、共同作戦が確認されれば、武装勢力の連携強化という新たな脅威を示すことになる。

現地ではバマコ周辺でも激しい銃撃や爆発が報告され、一時は政権中枢への直接的な脅威が懸念された。ただし、軍や治安部隊が応戦し、首都の主要拠点は維持されたと伝えられている。一方で、北部の一部地域では武装勢力が影響力を拡大しているとの情報もあり、情勢は依然として流動的である。

国連は今回の攻撃を強く非難し、サヘル地域全体の不安定化に対する国際的な対応の必要性を訴えた。マリでは2012年以降、イスラム過激派による反乱が続き、近年も攻撃の頻度と規模が拡大している。バマコでの大規模攻撃はまれであったが、今回の事件はその状況が変化していることを示している。

軍政はこれまで、治安回復に向けて軍事作戦の強化や外国勢力との協力を進めてきたが、今回の事態はその取り組みの限界を浮き彫りにした形となった。今後は指導部の再編や治安戦略の見直しが迫られるとみられる。

今回の国防相殺害は単なる要人襲撃にとどまらず、国家の統治能力や軍事体制の脆弱性を露呈させた事件といえる。国内外に与える影響は大きく、マリ情勢は一段と不透明さを増している。

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