フィリピン中部で国軍と左翼ゲリラが衝突、米国人含む19人死亡
戦闘は4月19日に西ネグロス州で発生。国軍は住民からの情報を受け、同地域に潜伏していたとされる左翼ゲリラに対して軍事作戦を実施し、交戦に発展した。
.jpg)
フィリピン中部で政府軍と共産系ゲリラとの間で発生した戦闘により、少なくとも19人が死亡し、その中に米国人2人が含まれていた。当局が26日、明らかにした。長年続く反乱の中で外国人が死亡する異例の事態として、国内外に波紋を広げている。
戦闘は4月19日に西ネグロス州で発生。国軍は住民からの情報を受け、同地域に潜伏していたとされる左翼ゲリラに対して軍事作戦を実施し、交戦に発展した。政府のタスクフォースによると、死亡した19人はいずれも共産系武装組織「新人民軍(NPA)」のメンバーとみられ、2人の米国人が含まれていた。
この2人は2026年3月にフィリピンに入国し、その後現地でゲリラと接触した可能性があると当局はみているが、詳しい経緯は明らかになっていない。
フィリピン政府は今回の事態を受け、フィリピン系米国人に対し、左派活動団体などによる勧誘に注意するよう警告した。当局はこうした過程を「テロ的な勧誘」と位置づけ、海外からの関与が武装闘争に発展する危険性を指摘している。
一方で、人権団体は今回の戦闘について独立した調査の必要性を訴えている。現地では学生運動の関係者や農民団体の活動家、地域ジャーナリストなど民間人が巻き込まれた可能性があるとされ、交戦の実態や犠牲者の身元について慎重な検証が求められている。
軍は戦闘後、現場から銃器24丁を押収したほか、ゲリラ戦闘員の拘束にも成功したとしている。また、指名手配されていた反政府勢力の幹部もこの戦闘で死亡したと報告されている。政府側の被害は兵士1人の負傷にとどまった。
フィリピンでは1960年代から共産主義勢力による武装闘争が続いており、NPAはその中核を担ってきた。最盛期には数万人規模の戦力を有していたが、近年は軍の掃討作戦や内部対立により勢力が大幅に縮小し、現在は数百人規模とみられている。
政府と反体制派の和平交渉は過去にノルウェーの仲介で行われたが、相互不信や戦闘の継続を理由に決裂し、現在も再開の見通しは立っていない。こうした中で地方部では散発的な衝突が続いている。
今回の事件は弱体化したとはいえ、依然として左翼ゲリラが活動を続けている現実とともに、外国人が紛争に巻き込まれるリスクを浮き彫りにした。政府は今後も掃討作戦を継続する方針を示しているが、人権問題とのバランスを含め、対応の在り方が問われている。
