マリ軍政「将校らが過激派と結託して攻撃を実行」治安悪化
首都バマコの検察当局は2日、先月25日に発生した一連の攻撃について、現役および元軍人の一部が関与した可能性があると発表した。
.jpg)
アフリカ西部・マリの軍事政権が自軍内部の一部将校がイスラム過激派や分離主義勢力と共謀し、国内で発生した大規模攻撃に関与したと非難する異例の事態となっている。同国では治安の急激な悪化と政権基盤の揺らぎが一層深刻化している。
首都バマコの検察当局は2日、先月25日に発生した一連の攻撃について、現役および元軍人の一部が関与した可能性があると発表した。問題の攻撃は過去10年以上で最大規模とされ、国際テロ組織アルカイダと関係を持つ「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」とトゥアレグ系分離主義勢力である「アザワド解放戦線(FLA)」が連携して実行したとみられている。
攻撃は全国各地で同時多発的に行われ、軍事基地や主要都市が標的となった。軍施設やバマコの国際空港も攻撃を受け、混乱は首都圏にまで及んだ。さらに北部の要衝キダルなどでは国軍とロシア系部隊が撤退し、反政府勢力が支配を主張するなど、戦況は軍政に不利な方向へ傾いている。
この攻撃で国防相が死亡するなど、政権中枢にも大きな打撃が出た。自爆攻撃や銃撃を組み合わせた作戦は高度に組織化され、専門家は過激派と分離主義勢力の連携が新たな段階に入ったと指摘する。
検察は複数の現役兵士や退役軍人、さらには国外にいる政府関係者が関与した証拠があるとして捜査を進めている。すでに一部の容疑者の拘束も始まっているが、全容は明らかになっていない。軍政は「国家に対する裏切り行為」として厳しく対処する姿勢を示している。
一方で、反政府勢力側は北部の軍事拠点を制圧したと発表し、国軍の撤退を強調している。同地域はアルジェリア国境に近い戦略的要衝で、その喪失は軍政にとって大きな痛手となる。
マリは2020年と2021年のクーデター以来、暴力が拡大している。フランス軍や国連部隊の撤退後、ロシア系部隊との連携に依存する体制となったが、今回の攻撃はその安全保障戦略の限界を露呈した形だ。
さらに首都周辺では武装勢力による封鎖措置が行われ、市民生活への影響も深刻化している。交通の危険性が高まり、人道状況の悪化も懸念されている。
軍内部の関与疑惑が事実であれば、国家の安全保障機構そのものの信頼が揺らぐことになる。軍は武装勢力の掃討を継続する方針を示しているが、内部分裂と外部からの攻撃が同時に進む現状は、サヘル地域の不安定化をさらに加速させる可能性が高い。今回の事態はマリの統治体制が重大な岐路に立たされていることを浮き彫りにしている。
.jpg)
