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マリのアルカイダ系組織が首都周辺に検問所設置、国民に蜂起呼びかけ

マリでは2012年以降、イスラム過激派や分離主義勢力による紛争が続き、国際社会の軍事介入にもかかわらず武装勢力の影響力が拡大し続けている。
2026年4月30日/アフリカ西部・マリ、首都バマコ(ロイター通信)

アフリカ西部・マリでアルカイダ系武装勢力が首都バマコ周辺で活動を強め、情勢が急速に悪化している。5月1日、複数の治安関係者によると、同組織はバマコに通じる主要道路上に検問所を設置し、市民に対して軍事政権に対する蜂起を呼びかけた。

呼びかけを行ったのは、国際テロ組織アルカイダと関係を持つ「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」である。同組織は声明で、軍政を「テロ政権」と非難し、イスラム法(シャリア)に基づく統治への移行を求めた。また兵士や政治家、宗教指導者、市民に対して団結し、政権転換を実現するよう訴えた。

今回の動きは4月25日に全国で発生した大規模攻撃の延長線上にある。JNIMはトゥアレグ系反政府勢力「アザワド解放戦線(FLA)」と連携し、各地の軍事拠点や都市を同時に攻撃した。この攻撃で国防相が殺害され、北部の要衝キダルなどが武装勢力の支配下に置かれた。

さらに武装勢力はバマコへの物資流入を遮断する動きも見せている。主要幹線道路に設置された検問所では通行が制限され、事実上の封鎖につながる可能性が指摘されている。過去にも同様の封鎖により燃料不足などが深刻化した経緯があり、市民生活への影響が懸念される。

一方、軍政を率いるゴイタ(Assimi Goita)大将は声明で、状況は統制下にあると強調し、武装勢力の排除に全力を挙げると表明している。しかし、今回の一連の攻撃は規模と連携の面で過去に例を見ない水準とみられ、政府の統治能力に対する疑問も強まっている。

マリでは2012年以降、イスラム過激派や分離主義勢力による紛争が続き、国際社会の軍事介入にもかかわらず武装勢力の影響力が拡大し続けている。近年は周辺国にも活動範囲が広がり、地域全体の不安定化を招いていると指摘される。

今回の検問設置と蜂起の呼びかけは、首都に対する直接的な圧力を強める新たな段階といえる。武装勢力が都市部への影響力をどこまで拡大できるか、また軍政側がこれにどう対抗するかが今後の焦点となる。

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