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武装集団が孤児院を襲撃、生徒23人拉致 ナイジェリア

現場はロコジャ市内の人里離れた地域にある孤児院兼学校。武装した男たちが施設に押し入り、在籍していた児童を拉致した。
2026年4月27日/ナイジェリア、中部コギ州、武装集団の攻撃を受けた孤児院(AP通信)

ナイジェリア中部コギ州で武装集団による児童誘拐事件が発生した。地元当局が27日、明らかにしたもので、同国の治安問題が改めて浮き彫りとなった形だ。当局によると、正体不明の武装集団は4月26日夜、コギ州の州都ロコジャにある孤児院を襲撃し、23人の子どもを連れ去ったという。

現場はロコジャ市内の人里離れた地域にある孤児院兼学校。武装した男たちが施設に押し入り、在籍していた児童を拉致した。州政府によると、被害に遭ったのは主に小学校や幼児教育段階にあたる年齢層で、幼い子どもが中心とみられている。

その後の捜索活動により、これまでに15人の子どもが救出されたが、8人の行方が分かっていない。治安当局は残る児童の解放と犯行グループの特定・拘束に向けて大規模な作戦を続けている。州政府はX(旧ツイッター)への投稿で、「治安部隊が作戦を進めている」と述べ、早期解決への意欲を示した。

一方、当局によると、この孤児院は州当局の認可を得ていなかったという。施設の運営者はコメントを出していない。

現時点で犯行声明は出ておらず、実行主体は不明である。ナイジェリア北部から中部にかけては、武装集団やイスラム過激派による誘拐事件が頻発しており、子どもは注目を集めやすく身代金を得やすい「標的」となってきた。

同国では長年にわたり、西アフリカ最大の過激派「ボコ・ハラム」やその分派である「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」、さらに武装盗賊集団などが活動し、市民の安全を脅かしている。近年はとりわけ学校を狙った集団誘拐が相次ぎ、数十人から数百人規模の児童・生徒が一度に連れ去られる事件も起きている。

こうした事件の多くは身代金目的とみられ、政府の対応の遅れや治安部隊の能力不足も指摘されている。結果として、地方では学校閉鎖や通学停止を余儀なくされるケースが増え、教育環境にも深刻な影響が及んでいる。

今回の事件も同様の誘拐ビジネスの一環とみられる可能性が高いものの、犯行の詳細や背後関係は分かっていない。中央政府は治安対策の強化を掲げているが、各地で続く襲撃や誘拐を十分に抑え込めていないのが実情だ。

孤児院という最も弱い立場の子どもたちが標的となった今回の襲撃は、社会的衝撃も大きい。残る児童の安否とともに、繰り返される集団誘拐をいかに防ぐかが、同国の喫緊の課題となっている。

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