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トランプ氏、イランの和平案に不満、交渉行き詰まり

問題となっているのは、イラン側が戦争終結後に核問題や海上輸送の取り決めを協議する段階的アプローチを提案している点である。
2026年4月25日/米ワシントンDCホワイトハウス、トランプ大統領(ロイター通信)

米国とイランの間で続く戦争をめぐる和平交渉は行き詰まりの状態にあり、トランプ(Donald Trump)大統領がイラン側の提案に不満を示している。トランプ氏はイランが提示した和平案について、核開発問題への対応が不十分だとして受け入れ難いとの立場を取っているという。

問題となっているのは、イラン側が戦争終結後に核問題や海上輸送の取り決めを協議する段階的アプローチを提案している点である。これに対し米側は、核問題は交渉の初期段階から扱うべきだと主張しており、両者の隔たりが交渉停滞の主因となっている。ロイター通信によると、トランプ氏は国家安全保障チームとの協議でも同提案に強い不満を示したという。

さらにトランプ氏は28日、自身のSNS上で、「イランは崩壊状態にある」と指摘し、指導部の状況を巡って混乱が生じているとの見方を示した。また、ホルムズ海峡の早期開放を求めているとも発言し、イランの指導体制が安定していないとの認識を強調した。

一方、イラン側の提案は、まず戦闘行為の停止と米国による海上逆封鎖の解除を優先し、その後にホルムズ海峡の取り扱いや貿易問題を協議、最終段階で核開発問題を扱うという構成になっているとされる。これに対して米国は、核問題を後回しにすることは受け入れられないとしている。

この対立の背景には、軍事衝突と経済制裁が続く中での不信の蓄積がある。米国はイランの核開発能力を安全保障上の重大な脅威とみなしており、早期の制限合意を求めている。一方イランは、主権や安全保障の観点から核開発の制限を急ぐ米国の要求に強く反発している。

また、レバノンでの戦闘長期化によりエネルギー市場や国際物流にも影響が広がっている。特にホルムズ海峡は世界の石油輸送の要衝であり、同地域の不安定化は原油価格の上昇や供給不安を引き起こしている。

さらにイラン国内では指導体制の変化や権力構造の再編が進んでいるとされ、強硬派の影響力が増しているとの分析もある。こうした国内政治の変化も外交交渉の柔軟性を低下させている要因とみられている。

現時点で和平交渉は明確な進展を見せておらず、双方の主張は平行線をたどっている。米側は圧力を維持しつつ交渉継続の構えを示す一方、イラン側も条件が整わない限り妥協しない姿勢を崩していない。結果として、停戦と和平への道筋は依然として不透明な状況にある。

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