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モロッコ・フェズで建物倒壊、9人死亡、負傷者多数

フェズはモロッコ最古級の都市の一つで、世界遺産にも登録される旧市街がある。
2025年12月10日/モロッコ、フェズ、4階建てアパートが倒壊した現場(AP通信)

モロッコ中部の古都フェズで21日未明、4階建ての建物が倒壊し、少なくとも9人が死亡、多数が負傷した。地元当局によると、この建物は人口密集地区に位置し、救助隊が瓦礫の下に取り残された住民の捜索を続けている。消防や警察、医療関係者が現場に駆け付け、重機を使った大規模な救出活動が行われた。

フェズはモロッコ最古級の都市の一つで、世界遺産にも登録される旧市街がある。同市では老朽化した住宅が数多く残されており、建物の倒壊事故が以前から深刻な社会問題となっていた。今回倒壊した建物は1980年代に建設されたとみられ、周辺住民からは以前から安全性を不安視する声も上がっていたという。国営テレビは救助隊によって少なくとも6人が瓦礫の中から救出されたと報じた。

現場周辺では二次被害を防ぐため、隣接する建物の住民に避難命令が出された。倒壊による振動や建物の損傷により、さらなる崩落の危険性が懸念されているためだ。当局は事故原因の調査を開始し、建築基準違反や老朽化との関連を詳しく調べている。近隣住民の一人は国営テレビのインタビューで、「建物が崩れた瞬間、地域全体が恐怖に包まれた」と証言した。

フェズでは近年、同様の事故が相次いでいる。2025年12月には隣接する2棟の建物が崩壊し、22人が死亡した。さらに2010年には北部にあるモスクの尖塔が崩れ、41人が犠牲となっている。こうした背景から、モロッコ政府は老朽化した建築物の把握と改修を進めてきたが、対応の遅れが指摘されている。

中央政府によると、国内では約3万8800棟の建物が「倒壊の危険あり」に分類されている。特に旧市街地では人口増加による無許可増築や、適切な修繕が行われないまま使用され続ける住宅が多く、都市インフラの老朽化が深刻化している。専門家は歴史的景観の保存と住民の安全確保を両立させる都市再整備が急務だと指摘している。

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