リビア首都の病院で58人の遺体見つかる、冷蔵庫に放置

▽遺体は市中心部の地区にある病院の冷蔵庫に保管されていた。
2025年5月13日/アフリカ北部・リビア、首都トリポリの通り(AP通信)

アフリカ北部・リビアの首都トリポリにある病院で身元不明の58人の遺体が見つかった。内務省が20日、明らかにした。

それによると、遺体は市中心部の地区にある病院の冷蔵庫に保管されていたという。誰が遺体を見つけたかは明らかになっていない。

内務省は声明で、「58人の遺体は19日に見つかり、警察が遺棄された経緯を調べている」と述べた。

それによると、一部の遺体はひどく焼け焦げ、腐敗しているものもあったという。

内務省は「この24時間で23人の遺体を調べ、サンプルの収集など、必要な法的手続きに向けて取り組みを進めている」と述べたが、銃創があるかなど、死因には言及しなかった。

トリポリでは先週初め、ドベイバ(Abdul Hamid Dbeibah)首相を支持する勢力と反対派が衝突し、少なくとも8人が死亡。ここ数年で最も激しい戦闘に見舞われ、数百人が避難を余儀なくされた。

ドベイバ政権は14日に停戦を宣言。反対派に武器を置くよう求めた。

民兵組織「安定支援機構(SSA)」はドベイバ氏と連帯する武装民兵にリーダーが殺害されたことを受け、反攻作戦を開始。トリポリ市内で激しい銃撃戦を繰り広げた。

この両組織はドベイバ政権の大統領評議会の管理下にある。

ドベイバ氏はSSAの解体とその構成員を逮捕するよう命じている。

リビアは2011年の革命後、政治的な行き詰まりと争いにより東部と西部に分裂。2つの政府が発足した。混乱が収束する見通しは全く立っていない。

ドベイバ氏はカダフィ(Muammar Gaddafi)大佐討伐後、国連の支援を受けることになったが、21年後半に予定されていた総選挙を実施できず、国際社会を失望させた。

ドベイバ氏と対立する東部政府のバシャガ(Fathy Bashagha)首相はシルトに拠点を置き、21年3月頃から権力闘争を続けている。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします