SHARE:

インド首都で抗議デモ続く、国家試験をめぐる不正に若者激怒

抗議デモ主導しているのは若者を中心とする風刺政治団体「ゴキブリ人民党(Cockroach Janta Party、CJP)」である。
2026年7月20日/インド、首都ニューデリー、風刺政治団体「ゴキブリ人民党」の支持者(AP通信)

インドの首都ニューデリーで21日、大学入試などの国家試験を巡る不正や制度改革を求める若者ら数千人が抗議デモを行った。前日に警察との激しい衝突で約180人が負傷したにもかかわらず、抗議活動は収束せず、モディ(Narendra Modi)首相が試験制度の改善と不正行為の厳正な処罰を約束した後も、参加者は「具体的な行動が示されていない」として運動の継続を宣言した。

抗議デモ主導しているのは若者を中心とする風刺政治団体「ゴキブリ人民党(Cockroach Janta Party、CJP)」である。当初は最高裁判事による若者への侮辱的な発言を風刺するインターネット上の活動として始まったが、5月に約200万人が受験した医学部試験の問題漏えいが発覚したことを契機に急速に拡大した。この試験不正により将来を絶たれたとの絶望感から自殺した受験生もいるとされ、教育制度全体への不信感が全国規模の抗議運動へと発展している。

20日には参加者がデリー中心部の国会議事堂へ向けて行進したが、警察が催涙ガスや警棒を用いて排除し、双方に多数の負傷者が出た。野党・国民会議派のガンディー(Rahul Gandhi)前総裁も学生らへの連帯を示すため抗議に参加、警察に身柄を拘束された。人権団体は平和的な抗議に対する過度な実力行使だと批判している。

これに対しモディ氏は、試験制度を「完全で信頼できる仕組み」に改める必要があると表明し、問題漏えいに関与した者を厳しく処罰する方針を示した。政府は既に関係者を逮捕し、漏えいが確認された試験については再試験を実施するなど必要な措置を講じていると説明している。しかしデモ参加者はプラダン(Dharmendra Pradhan)教育相の辞任や教育制度の抜本改革を要求しており、政府の対応は不十分だとの見方を崩していない。

CJPはさらに、断食を続けていた環境活動家ソナム・ワンチュク(Sonam Wangchuk)氏の即時釈放や、試験不正に関連して命を絶った学生の遺族への補償も求めている。デリー高等裁判所はワンチュク氏を私立病院へ移送することを認めたが、運動側は要求が受け入れられたとは考えていない。

今回の抗議運動は試験不正への怒りにとどまらず、若年層の就職難や政治・行政への不信を背景とした社会運動に拡大している。3期目に入ったモディ政権にとって、若者世代の不満がこれほど大規模な形で表面化するのは異例であり、政府が信頼回復に向けてどこまで実効性のある改革を打ち出せるかが今後の焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします