◎台湾は1949年の第二次国共内戦で中国から分裂したが、共産党指導部は台湾を領土の一部と主張している。
中国と台湾の国旗(Getty Images)

台湾蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は24日、フランシスコ教皇(Pope Francis)に宛てた書簡の中で、中国との戦争は選択肢になく、台湾の民主主義を維持できるか否かは中国との建設的な交流にかかっているという見方を示した。

蔡総統はバチカン政府の▽移民にやさしい政策▽ロシアのウクライナ侵略への対応▽公衆衛生に関する立場への支持を表明した。

バチカン市国は欧州の中で唯一、台湾と公式の外交関係を結んでいる。

蔡総統はバチカンが人権問題などで中国との関係を発展させようとしていることに不安を感じている。

蔡総統は書簡の中で、「台湾はあなた方の意見に深く共感している」と述べている。

台湾は1949年の第二次国共内戦で中国から分裂したが、共産党指導部は台湾を領土の一部と主張している。

共産党の毛沢東(Mao Zedong)初代国家主席は国民党の蒋介石(Chiang Kai-shek)元総統率いる革命軍を打倒し中国全土を掌握したものの、台湾は分裂から70年以上自治権を守ってきた。

蔡総統は1月1日の世界平和の日のメッセージで「戦争というウイルスを治さなければならない」と述べたことに言及。台湾海峡の武力衝突を否定し、「平和と安定」を呼びかけた。

また蔡総統は「武力衝突は絶対にあってはならないことだ」と強調した。「台湾の人々の主権、民主主義、自由へのコミットメントを尊重することによってのみ、中国との建設的な交流を再開する基盤を構築できるのです...」

中国は昨年8月のペロシ(Nancy Pelosi)米下院議長の訪台を受け、台湾海峡で過去最大規模の軍事演習を行った。

しかし、その後も米英日の議員などが台湾を訪問し、民主的な選挙で選ばれた指導部への支持を表明した。

台湾は今月行われた故ベネディクト16世(Benedict XVI)の葬儀に元副総統などを代表として派遣した。

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