◎スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
2022年4月4日/スリランカ、首都コロンボの抗議デモ(Getty Images/AFP通信)

スリランカの統計局は21日、先月の消費者物価指数(CPI)が前年同月から73.7%上昇し、過去最高を更新したと発表した。

8月は70.2%増だった。

統計局によると、食品は85.8%増、非食品は62.8%増。スリランカ中銀は20日の声明で、「インフレはピークに達した可能性が高い」と予測していた。

首都コロンボのCPIは月末に発表される。8月は69.8%増。

一部のアナリストは利上げもあり得ると指摘しているが、一部の地元メディアは情報筋の話を引用し、「中銀は利上げを考えていない」と報じている。

スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。

外貨が枯渇した結果、輸入食品・ガソリン・医薬品などの必需品が極端に不足している。また有機農業を推進するために化学肥料の輸入を禁じた結果、過去2シーズンの農作物の収穫高は半分以下に落ち込み、食料危機に拍車をかけた。

コロンボに拠点を置く投資会社ファースト・キャピタル(First Capital)のアナリストはCPIが上昇した理由について、「8月に実施した電気と水道に対する課税が反映された」と説明している。

しかし、経済が限界まで冷え込んでいる中で中銀が利上げに踏み切る可能性は低く、さらにインフレは鈍化するという見方が広がっている。

ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は予算編成を大幅に見直し、国際通貨基金(IMF)の融資を得るために増税を計画している。

政府とIMFは4年総額29億ドルの融資で暫定合意している。IMFは支援を提供する条件のひとつに債務再編の履行を求めている。

スリランカの対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルを2027年までに返済しなければならない。

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