◎場は北ワジリスタンの集落。過激派は銃を乱射して反撃した。
2023年2月3日/パキスタン、北西部カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワル、イスラム過激派の暴力に抗議するデモ(Muhammad Sajjad/AP通信)

パキスタン軍は3日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のアフガン国境近くにある過激派の拠点を急襲し、2人を殺害したと発表した。

軍報道官によると、現場は北ワジリスタンの集落。過激派は銃を乱射して反撃したという。

軍報道官はこの過激派について、「過去に治安部隊への攻撃に関与した」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

一部の地元メディアは警察筋の話を引用し、「今回の標的はパキスタンのタリバン(TTP)ではない」と報じている。

カイバル・パクトゥンクワ州ペシャワルで今週発生した自爆テロの死者は100人を超え、225人が重軽傷を負った。

アフガンの山岳地帯に拠点を置くTTPの司令官はこの自爆テロ後、ツイッターに犯行声明を投稿したものの、TTP報道官はその後、関与を否定する声明を出した。

パキスタン軍はアフガン国境近くで過激派を定期的に取り締まっており、その多くにTTPや南西部バルチスタン州の分離独立を目指すイスラム過激派「バルチスタン解放軍(BLA)」がかかわっている。

地元メディアによると、パキスタン陸軍の大将がペシャワルの自爆テロ現場を視察し、地元警察の署員と面会したという。大将は警察との連帯を表明した。

一方、シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は3日、カーン(Imran Khan)前首相を招いて過激派の暴力に対処する方法を協議すると発表した。

シャリフ政権はTTPがペシャワルの自爆テロを主導したと非難している。死傷者の大半は警察官だった。

州警察の署長は自爆テロ犯が警察の制服を着ていたため、現場の警備員は同僚と信じ、身体検査を行わなかったと釈明した。

TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはかつてパキスタン南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏している

TTPはアフガンのタリバンによる政権奪取後、活動を強化し、昨年11月にパキスタン政府との停戦協定を破棄した。

地元メディアによると、カーン氏がシャリフ氏の要請に応じるかどうかは不明。カーン氏は在任中、TTPとの和平交渉を主導した。

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