◎同国で選挙期間中や投票当日のテロ攻撃は珍しくなく、特にアフガンと国境を接する南西部バルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州では選挙事務所、警察署、国境検問所、州議会の検問所が数えきれないほど攻撃を受けている。
2024年2月10日/パキスタン、首都イスラマバード、カーン元首相を応援するデモ(Getty Images)

パキスタン政府は10日、一部の欧米諸国が8日の総選挙に懸念を示したことに反撃し、「投票は平和的に行われた」と主張した。

欧米諸国は選挙期間中の前例のないテロ攻撃と投票日に携帯電話サービスが全面停止されたことに深刻な懸念を表明している。

米国務省はこの選挙について、「表現、結社、平和的集会の自由が侵害された」と指摘。EUも一部の政党が選挙に参加できず、「公平な競争が欠如したことを遺憾に思う」と述べた。

パキスタン外務省はこの批判を一蹴。「選挙プロセスの複雑さを理解できない一部の国がパキスタンの有権者数千万人を守るために必要な措置を取った当局の行動を否定したことに驚いている」と嘆いた。

また同省は「これらの国はイスラム国(ISIS)を含む外国のテロ勢力が我が国の国家安全保障に与えている影響を全く理解していない」と批判した。

同国で選挙期間中や投票当日のテロ攻撃は珍しくなく、特にアフガンと国境を接する南西部バルチスタン州と北西部カイバル・パクトゥンクワ州では選挙事務所、警察署、国境検問所、州議会の検問所が数えきれないほど攻撃を受けている。

地元メディアによると、投票日にインターネットが遮断されたという報告は確認されておらず、携帯電話のみが丸1日使えなくなったという。

イギリスの選挙監視団は複数のテロ攻撃が起きたにもかかわらず投票を実施した選挙管理当局を称賛。「候補者やメディア関係者、その他多くの市民が脅迫や暴力を受けた」と批判した。

また同監視団は主要政党の支持者が暴動に関与し逮捕されたという報告を受けていると述べた。

選管によると、東部パンジャブ州の刑務所に収監されているカーンImran Khan元首相の政党「パキスタン正義運動(PTI)」の無所属議員が国会で争われた266議席中100議席を獲得。シャリフ(Shehbaz Sharif)前首相の政党「パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派」は71議席だった。

PTIは選挙への出馬を禁じられているため、公認政党ではなく、厳密にはシャリフ派が第1党となる。

シャリフ氏の兄であるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相は9日、他の野党指導者に連立交渉に参加するよう促した。

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