中国が台湾総統のエスワティニ訪問に激怒「ネズミのよう」
今回の訪問は事前に公表されず、到着後に発表されるという異例の形式が取られた。
と台湾の頼清徳-総統(ロイター通信).jpg)
台湾の頼清徳(Lai Ching-te)総統が週末にアフリカ南部のエスワティニ王国を公式訪問した。中国の強い反発が予想される中での外遊となったが、同氏は出発に際し、台湾の主権と国際社会との関係強化の正当性を強調し、対中圧力に屈しない姿勢を鮮明にした。
今回の訪問は事前に公表されず、到着後に発表されるという異例の形式が取られた。台湾当局は安全上の理由を挙げているが、背景には中国による妨害への警戒があるとみられる。実際、頼氏は先月に予定していた訪問を延期し、その際にはインド洋の複数国が上空通過を認めなかったとされ、台湾側は中国の圧力があったと非難していた。
エスワティニは台湾と正式な外交関係を持つ数少ない国の一つ、アフリカでは唯一の承認国である。今回の訪問は国王ムスワティ3世(King Mswati III)の即位40周年行事に合わせたもので、両国の関係強化を内外に示す狙いがある。台湾にとっては国際的な孤立を防ぐ上で重要な外交機会となった。
頼氏は現地で、2300万人の台湾市民が国際社会と交流する権利を持つと訴え、「台湾は主権国家である」と強調した。中国が掲げる「一つの中国」原則に対抗する形で、自らの外交的正当性を訴えた形だ。
これに対し、中国は強く反発した。国務院台湾事務弁公室は声明で、頼氏の行動を「卑劣」と評し、「ネズミのようだ」と表現するなど異例の強い言葉で非難した。また、台湾の対外活動は無意味であり、国際的支持を得られないとの立場を改めて示した。
台湾側も即座に反論した。対中政策を担う大陸委員会は、総統の外遊に中国の許可と一蹴し、今回の訪問は主権国家として当然の行為だと強調した。双方の応酬は台湾海峡をめぐる緊張の根深さを改めて浮き彫りにしている。
近年、中国は台湾の外交関係を切り崩すため、各国に経済的・政治的圧力をかけている。台湾と正式な関係を持つ国は減少を続け、現在は10数カ国にとどまる。こうした中での今回の訪問は、台湾がなお国際的な存在感を維持しようとする試みでもある。
また、今回の渡航をめぐっては米国や欧州諸国が、中国による航空経路への圧力に懸念を示し、問題は国際的な広がりも見せている。台湾問題が単なる地域課題にとどまらず、国際政治の重要テーマであることを示す一例といえる。
頼政権は今後も友好国との関係維持と拡大を模索するとみられるが、中国の反発がさらに強まる可能性がある。今回の訪問は台湾の外交的立場と中台関係の緊張が今後も続くことを象徴する出来事となった。
