◎バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。
2024年8月20日/パキスタン、南西部バルチスタン州クエッタ、市内を巡回する警察官(Getty Images)

パキスタン南西部バルチスタン州で政府高官の暗殺に関与したとされる武装勢力の戦闘員3人が殺害された。陸軍が20日、明らかにした。

同州の反政府武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」とみられる集団は先週12日、州都クエッタ近郊の道路を走行していた車両に待ち伏せ攻撃を仕掛け、州政府の高官を殺害した。

陸軍は声明で、「このテロ攻撃に関与した3人を無力化し、BLAの拠点を家宅捜索した」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

それによると、殺害した3人はBLAの戦闘員とみられ、高官暗殺の犯行声明も出していたという。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相は20日、治安部隊を称賛し、すべての反乱軍を排除するまでテロとの戦いは続くと強調した。

BLAは声明を出しておらず、さらなる応戦が予想される。

バルチスタン州では四半世紀ほど前から政府と分離主義勢力による紛争が続いており、BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に要求。その後、独立を求めて反乱を起こした。

BLAは隣国アフガンに拠点を置く「TTP(パキスタンのタリバン運動)」とも同盟関係にあり、バルチスタン州だけでなく北西部カイバル・パクトゥンクワ州でも複数のテロ攻撃に関与している。

TTPとアフガンのタリバン暫定政権は別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、2022年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切り、軍と警察への攻撃を強化した。

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